田宮五郎さんは父が昭和の名俳優であった田宮二郎さんです。父親と同じように俳優の道を選ばれ活動されていました。田宮二郎さんといえば若い方はご存じないかもしれませんが、最近でもリメイクされた大病院を舞台にした外科医のドラマである白い巨塔をはじめとして数々のヒット作品に出演された日本を代表する俳優さんでした。
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そしてその息子さんである田宮五郎さんも、父親譲りの甘いマスクなどで、これから、さらなる活躍を期待されていた俳優さんの一人でした。
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一方、浅野ゆう子さんは、バブル時代の象徴的な女優さんで浅野温子さんとダブル浅野として活躍し、彼女のファッションなどを真似した女性が街中にあふれていた時代もありました。この二人が実はお付き合いをされていたようです。結婚はされていませんでしたが、その交際は長く事実婚のような状態であったとの報道もされています。
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その田宮五郎さんに突然の病が襲いました。2012年、自宅で役作りとして筋力トレーニングをしていた際に、急激な頭痛に襲われそのまま意識をなくされました。診断はくも膜下出血とのことで、病院に搬送され約8時間に及ぶ大手術をされたようです。何とか命はとりとめたものの、結果的には左半身に麻痺が残る後遺症を抱えることとなり、浅野ゆう子さんも献身的にリハビリなどのお世話などを行っていたとのことでした。そのかいもあり、また田宮五郎さん本人の努力ももちろんあり、杖をついての歩行まで可能となったとのことです。その後もリハビリをを続け、本格的な俳優への復帰に向けてさらなる努力を続けられていたようですが、さらに病魔が彼を襲ってしまいまいました。2014年11月、再び交際中の浅野ゆう子さんの自宅でくも膜下出血で倒れてしまったのです。すぐに都内の病院に搬送され懸命の治療を受けられて様ですが、数日後、残念ながら息を引き取られました。まだまだこれからという47歳での死という非常に残念な結果になってしまったのです。
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ではこのくも膜下出血とはどのような病気なのでしょうか。実は、多くの場合、突然に前兆なく襲ってくる非常に怖い病気なのです。しかも、高齢者にもおきますが、全く健康で何の問題もないと思われている働き盛りなどの青壮年の人にも起きうるもので、治療が遅れる程、後遺症を残したり生命の危機に瀕するなどの可能性が高くなってしまいます。人間の体の中でも最も重要な脳は頭蓋骨の中に3つの膜で包まれるように格納されています。その膜が硬膜、くも膜、軟膜という3つの膜です。真ん中にあるくも膜の中には脳へ血液を送る、あるいは脳からの血液を心臓に戻す通路である血管が走っています。特にくも膜下出血はその中でも脳の動脈で動脈瘤という血管のこぶのようなものが破裂して、大出血を突然起こし、激しい頭痛をきたすことが大きな原因の一つです。また交通事故などで激しく頭をぶくけてしまい血管が破れることで起きてしまう、外傷性のくも膜下出血もあります。
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壮年期に多い、脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血は普通の診察でわかることは非常に困難です。この脳の動脈瘤は破裂していない状態ではほとんど症状はないからです。したがって、脳のMRIやMRAといった画像検査をしていないと、破裂して初めてその存在がわかるという、前兆のない隠れた、けれどもとても怖い病気なのです。いったん、動脈瘤が破裂してしまうと一気に脳の機能が侵され後遺症を残してしまう可能性も高くなります。家族にとっても全く突然の出来事となることが多く、もし命を落としてしまえば何の準備もなく家族に大きな負担がかかってしまいます。浅野ゆう子さんもおそらく突然の出来事で、まさに目の前で起きてることに呆然とした状態であったのではないでしょうか。このような事態を避けるには脳ドックなどの画像の検査を行い、脳動脈瘤があるのかないのか、もし見つかった場合は定期的な検査を行い、動脈瘤が大きくなるようであれば破裂予防のための手術や治療が必要なのです。