万引きをしたとして12月3日に有罪判決を受けた、マラソン元日本代表の原裕美子が記者会見を開き、涙ながらに謝罪しました。原裕美子は昨年から今年にかけて2度も万引きを行い、起訴をされていましたが、受賞歴のあるマラソンランナーがなぜ万引きに走ってしまったのか、本人が記者会見で語りました。
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原裕美子が2度も万引きを繰り返した理由って？
原裕美子は2005年、名古屋国際女子マラソンで初マラソン、初優勝という快挙を成し遂げ、世界選手権でも6位入賞というキャリアを持っています。そんな華やかな経歴があるのにも関わらず、万引きという犯罪を行ってしまった理由には自身の摂食障害が引き金になったとのことです。
摂食障害に苦しんだと語る原裕美子
記者会見にて原裕美子は「(監督から)食べないで痩せるという指導もありました。『これは食べちゃダメだ』『これは半分残しなさい』。日に日に私は食べ物に対する執着心が強くなっていった」と苦しみを明かし、食べては吐く、を繰り返す摂食障害に現役引退後も悩まされたと語っています。
摂食障害から窃盗症を引き起こしたという
さらに原裕美子は、この摂食障害をきっかけに「窃盗症（クレプトマニア）」発症したと話しています。「窃盗症」とは興奮で不安を吹き飛ばすために、衝動的に万引きを繰り返す精神疾患のことをさし、これが2度に渡って万引きをした原因の1つだと本人は語っており「盗ったら捕まる。捕まったらこの苦しみから解放される。苦しい生活から離れたい。それしか考えられなくて…」としています。
婚約者に裏切られた？
その一方で、原裕美子にはもう一つの苦しみもあったとされています。それは原裕美子が婚約者に裏切られたことです。2017年1月にすでに結婚式を挙げ、婚姻届を出す予定だった婚約者と突然、連絡が取れなくなったといいます。原裕美子は「式に掛かった費用とか、数百万というお金が騙されてしまった。それがすごくつらかった」と話しました。
判決は懲役1年、執行猶予4年
2018年2月、群馬県のスーパーでキャンディーなど約380円相当を万引きした罪に問われ、逮捕・起訴された原裕美子。しかしその約3か月前の2017年11月にも地元・栃木県のコンビニで万引きしたとして、執行猶予つきの有罪判決を受けていました。つまり、今回は執行猶予中の再犯だったのですが、今回の判決は懲役1年、執行猶予4年で、実刑になることはありませんでした。その理由については、彼女が刑務所に行くよりも、窃盗症の病気を専門機関で治す方が先決であると裁判所が考えた結果だとされています。さらに、万引きしたものがキャンディーという、自分のお金でも買える、日常的な物を万引きしたことからも「窃盗症」であると考慮され、執行猶予がついたのではないか、という見方が大きいですね。