新型コロナウイルスの拡散で健康管理の必要性が強調される最近、ウイルスの感染を防御してくれる身体のシステムである「免疫力」には特に気を使いたいですよね。その上に、現代の社会人では免疫力の低下による合併症で病院を訪れる患者の数が指数関数的に増加していると言われているので、より肝心な管理が求められます。免疫力が低下することにより、様々な感染症にかかりやすくなったり、食中毒や、深刻な場合は様々な種類のがん、AIDS(HIVウイルス感染症)、結核などの病気も発症することがあります。
しかし、このような免疫不全による疾患は、いきなり訪れるものではありません。実は、免疫力が低下してくると、私たちの体は様々な症状でそれを知らせてくれます。大体が多くの人が日常生活で経験することの多い軽い症状なので、見落としてしますことが頻繁かと思います。しかし、いつものことだから、と思い軽く見過ごしていると重い病気に繋がることもあるので、持続的で繊細な観察と管理が必要です。
これから、免疫力が低下したときに我々の体が信号として送ってくる症状の例をご紹介します。
#1。唇と口周りのひび割れ
冬や春など、乾燥した季節に唇にひび割れができることが良くありますよね。ひどい場合は、唇だけでなく口周りのお肌にもひび割れができたり、肌荒れしたり(口角炎)することもあります。乾燥のせいだし、大したことじゃないと思いそのまま放置したり、軽くリップクリームや角質ケアなどで対応している方が多いかと思います。
ですが、このような症状が長期間続いている場合、それはただ保湿だけをして済まされるようなことではありません
唇のひび割れや口周りの肌荒れは、我々の体が送り出している「肝臓機能異常」や「ビタミンB欠乏」の信号の1つである可能性があります。どちらも免疫不全につながることがあるので、注意が必要です。人間の体は自ら生体内でビタミンを合成できないので、ビタミンBの場合食事により摂取する必要があります。ビタミンBを豊富に含む食物として、代表的にサーモンやマグロの赤身、牛乳などがあります。
#2。目の周りの痙攣
たまによく眠れなかった日や、ストレスが溜まった日などに、まぶたや目の下など、目の周りがぴくぴくすることがありますよね。正確には、「ミオキニア」と呼ばれる症状です。これは、体に疲労が溜まっていたり、またはマグネシウムが足りていないことに起因する症状の1つです。マグネシウムは、必須ミネラルの中でも主要ミネラルの一種であり、主に生体内で筋肉の収縮や神経の機能に関わっています。
この症状に関しては、主に疲れや睡眠不足が原因なので、十分な休息を取ってあげることが大事です。また、マグネシウムが豊富に含まれる緑黄色野菜や海藻類、またはバナナやナッツ類を食べることでマグネシウムを摂取すると症状の緩和に大きく役立ちます。
#3。下半身の痺れ
長い時間の間足を組んでいたり、正座をしているなど、血流が悪くなるような姿勢でいて脚が痺れた経験は誰もがあると思います。ですが、普段にも頻繁に下半身に痺れを感じている場合には、注意が必要です。これは、カルシウムやマグネシウムの欠乏で現れる症状の1つでもあるからです。マグネシウムと同じように、カルシウムも主要ミネラルであり、筋肉の収縮や神経の制御に関わっています。カルシウムが豊富に含まれている食品には、主に牛乳や小魚、海藻類などがあります。特に、海藻類を食事に取り入れることで、マグネシウムとカルシウムを同時に補うことができるので一石二鳥でしょう。point 274 | 1
#4。爪先の割れやちぎれ
「爪や足の爪を見ると、その人の健康状態を大まかに把握できる」ということは、よく知られていることです。ネイルアートの施術を頻繁に受けるような方だとわかりづらいかもしれませんが、自爪が繰り返しちぎれたり、ちょっとした衝撃にも割れてしまうような状態が続いてるときは、健康状態を疑って見る必要があります。
爪が簡単に割れたりちぎれてしまうような症状は、大抵亜鉛の欠乏によるものと言われています。亜鉛はマグネシウムやカルシウムとは違って、体内にごく微量のみ存在する微量ミネラルですが、体内の酵素の成分となるなどして、免疫システムの構成と維持に大きな役割を果たしているため、適量を摂取してあげることが重要です。栄養剤を服用してもいいですが、体がごく少量だけを求めていることから、過剰症にならないためにも、日常の食事で摂取してあげた方がいいでしょう。食品の中では、牡蠣や肉類が亜鉛の含有量が高く、そのほかには舞茸やナッツ類も亜鉛を含んでいます。point 266 | 1
#5。耳鳴り
耳鼻咽喉科を訪れる患者のうち、かなりの割合が「耳鳴り」のため診察を受けているそうです。耳鳴りとは、周りに明らかな音源がないにも関わらず、耳で「ピー」や「キーン」とした電子音のような音が鳴る症状のことを言います。全世界の人口の約2割が経験していて、特に65歳以上では10人に3人が経験しているとされています。この場合は、聴力の低下に伴った症状と言えるでしょう。しかし、健康に異常がないのに耳鳴りが続く場合には、過剰なストレスの溜まりや、栄養素バランスの崩れが原因かもしれません。そのため、症状を和らげるためには、十分な睡眠をとり、炭水化物・タンパク質・脂質とミネラルなど、あらゆる栄養素のバランスが取れた食事に気を傾けてあげることが大事です。point 320 | 1
いかがでしたか?
5つのうち、1つや2つはみなさんも日常生活でよく経験している症状ではないでしょうか。軽い症状でも見落とさずに、自分の体にどんな栄養素が足りていないのか、この機会に一度チェックしてあげるのもいいかもしれません。体が必要としている成分をバランスよく摂取し、十分に休んであげることだけでも、免疫力の補強と病気の予防に大きく役立つでしょう。
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