無脳症
無脳症とは、両側大脳半球が欠損した状態のことです。 ときに脳の欠損部が奇形性の嚢胞性神経組織に置換され,これが外部に露出するか,皮膚で覆われていることがあります。脳幹および脊髄にも部分的な欠損ないし、奇形がみられることがあります。無脳症の赤ちゃんは大体が出産の時に亡くなるか、生後数日で命を落としてしまうことが多いのです。
あなたは自分のお子さんが無脳症だと分かったら産むのを諦めますか?とても重い障害を抱えたそんな我が子を産むと決意した夫婦をご紹介します。
奇跡
これはアメリカのご夫婦の話です。奥さまは妊娠中に、医師から「この胎児には脳が無い」「死産でなくても、生まれてもすぐに亡くなってしまう」と、無脳症の告知をされていました。ご夫婦はとても悩みました。しかし、どんな状態でも愛しい我が子には会いたいものです。クリスチャンである夫婦は、どんな困難があろうと赤ちゃんのために、全力を尽くそうと心に決め、産むことを決意しました。
今から7年程前に無脳症の新生児は無事に誕生しました。「奇跡的だ」と病院の医師たちは、驚愕したそうです。母親のブリタニーさんと父親のブランドンさんの間に確かに「ジャクソン」が生誕したのです。無脳症が判明した時、中絶を提示する医師もいました。しかしジャクソンに出会うことを決意して、出産を決め、ご夫婦と赤ちゃんは奇跡を起こしたのです。
ジャクソンが、少しでも長生きできるように、ご夫妻は苦労を惜しまず、懸命の子育てを行いました。とはいえ、ジャクソンは、重度の障害児で無脳症なのです。育児を担当しているブリトニーさんの困難は、想像を絶するものがあります。24時間、点滴などのケアを心配しなければいけないのです。その為、ブリトニーさんはジャクソンのために仕事を辞めたそうです。そして、Facebookで「Jaxon Strong」(強い子 ジャクソン)という、コミュニティを立ち上げて、ジャクソンを懸命に育てています。「母は強し」とは正にこのことですね。
瞳に宿る言葉
ジャクソンのこの純粋な瞳の輝きに「一緒に生きていこう」という強い意志があるように見えます。ブリトニーさんとブランドンさんはジャクソンのこの強い「言葉なき言葉」を胸に一生懸命に我が子を支えているのでしょう。ネットでは「ジャクソン、頑張って!」「生命が続く限り、一緒に楽しんで生きていこうよ!」と励ましの声が多々上がっています。ちなみにブリトニーさんのFacebookではジャクソンの為に募金も募っています。
ジャクソンの為に、そして、同じような障害を持った方とそれと一緒にたたかう家族のために、もっと医学が発展し、様々な支援が増えることを願います。
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