2010年にカナダで開催されたバンクーバーオリンピックでは、日本代表の金メダルはなかったもののフィギュアスケートやスピードスケートで複数のメダルを獲得するなど大いに盛り上がりました。
そんななか、スノーボード競技に出場した国母和宏選手が話題をさらったことは記憶に新しいはずです。日本代表としての移動をする際にスーツを着崩していたことでひと騒動が起きましたが、国母和宏選手がどういった人物なのかを知る機会は少なかったはずです。
バンクーバーオリンピックでの国母和宏
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国母和宏選手は2006年に開催されたトリノオリンピックに続いて2010年のバンクーバーオリンピックにも出場を果たしました。
日本代表選手は移動時に日本代表選手団の公式スーツを着用することと決められていましたが、国母和宏選手は開催地であるバンクーバーに移動する際に公式スーツを着てはいたもののシャツをズボンから出してベルトの位置を下げるといういわゆる腰パンスタイルでした。またネクタイを緩めていたりサングラスを掛けていたこともあって大きな注目を集めてしまったのです。point 315 | 1
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このスタイルがテレビのワイドショーで取り上げられたことで日本代表選手としてふさわしくないという議論が起き、記者会見で謝罪することになってしまいました。
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このスタイルについて、国母和宏選手本人はスノーボードの世界ではごく普通の格好であると主張していましたがそれは事実です。そもそもスノーボードはスキーに対するカウンターカルチャーとして生まれたスポーツであって、既存の枠組みや常識を破壊するというメンタリティがあります。そのためスーツを着るときも一般的に正しいとされる着こなしをするのではなく自分のオリジナリティを出すことを求めたということなのです。
肝心の試合では、国母和宏選手はハーフパイプ競技で決勝に進出し
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8位入賞という成果を残しています。
国母和宏の現在と人物像
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写真:Oakley
国母和宏選手はバンクーバーオリンピックの次の大会となる2014年のソチオリンピックに出場しなかったことで日本国内での関心は低くなっていますが、これまでワールドカップでの優勝やUSオープンの二連覇を達成するなど華々しい活躍をしていて、スノーボードの世界では非常に有名です。
現在は競技からは足が遠ざかっているもののスノーボードビデオの撮影をするために世界中の雪山でライディングを披露していて、
写真:はてなブックマーク
出演した作品は世界各国で発売されています。
評価も非常に高く、2016年にはアメリカで年間ベストビデオパート賞を受賞するなど現在でも第一線で活躍しているのです。
写真:Heavysnowker
とはいえバンクーバーオリンピックでのひと騒動によるイメージが強いせいか国母和宏選手本人の人物像については誤解されていることが非常に多いです。
過去には大病を患ったチームメイトのために手術費用として寄付金を集めたり、
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アメリカの大会に出場しているときに東日本大震災が起きたときは被災地に行って飼い主とはぐれたペットを保護する活動を行うなど
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決して傍若無人な性格をしているわけではありません。
また、2014年のソチオリンピックでは日本代表の技術コーチとして帯同していて、私生活を含めて面倒を見ている2選手がともにメダルを獲得するなど指導者としての才覚も発揮しているのです。
まとめ
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日本に住む多くの人にとって国母和宏選手はバンクーバーオリンピックでのひと騒動のイメージが非常に強く、品格に欠ける人物として認識しているはずです。しかしそれは正しい理解ではなく、国母和宏選手の生き様を誤解していると言えます。
国母和宏選手は選手としてはもちろんのこと指導者としても優れているスノーボーダーであることはもちろん、仲間や自分の国である日本のために自分の時間と労力を使うことができる人物なのです。point 272 | 1