パスタの代表であるスパゲティは、全世界で子供も大人も大好きなメニューとして知られています。ソースを変えればトマト系やオイル系、クリーム系などいろいろな味が楽しめて、ミートソースやカルボナーラは誰もが知っている定番の料理です。
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パスタの起源はどこ?
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パスタと言えばイタリア料理が思い浮かぶので、スパゲティも当然イタリアで生まれたものだと考えられていますが、実はいろいろな説があってどの国が起源なのか今でも議論が続いています。イタリア人はスパゲティはイタリアで考案されたものだと主張していて、中国人は昔マルコ・ポーロが中国を訪れたときに中華麺を持ち帰ってヨーロッパに広めたのが始まりなので、起源は中国にあるという説を信じています。
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両国が法廷で争ったことまであり、このときイタリア人はスパゲティを食べるためには箸ではなくフォークを使うものだから、イタリアが発祥地であるという結論付けをしました。
昔は揚げていた??
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実際どこの国で生まれたのかルーツを探ってみると、古代ローマでは既に小麦の栽培が行われていて、パスタのような料理が食べられていた記録が残っています。大昔は茹でるのではなく揚げたり焼いたりするのが主流で、現在のように茹でて調理するのは中世になってからでした。チーズやミルク、バターなど乳製品をソースにして主食として食べたり、砂糖やシナモンをかけてデザートのように提供されることもありました。
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トマトソースが発明されたのは1500年代になってからのことで、大航海時代に南米からヨーロッパにトマトなど新しい食材が入ってくるようになるのと同時にレシピも一気に増えたのが理由です。
日本に来てから今日まで
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日本では、1928年に兵庫県の尼崎市で初めて国産のスパゲティが製造されました。製造会社の社長がイタリアに行ったときスパゲティに出会い、日本にも紹介したいと思ったのがきっかけでした。戦後は駐在しているアメリカ軍兵士にも好んで食べられていて、帝国ホテルのレストランでも提供される一流のメニューになり、1980年代のバブル期にイタリアンがブームになると、それまではナポリタンなど一部の洋食メニューだけだったスパゲティの世界が一気に広がって本場イタリアのような珍しい食材を使ったパスタやイカスミ、アンチョビ、オリーブなどが入ったメニューも登場して、今日まで親しまれています。
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スパゲティについてちょっとしたまめ知識を知っていると、今まで何も考えずに食べていたメニューが特別なものに思えてきます。どの国が起源でも美味しさは変わらないので、今後もお気に入りのソースでスパゲティを楽しみましょう。