2008年3月のある日の早朝、西新宿5丁目の路地で数人の屈強な男に襲撃され撲殺されるという殺人事件が発生しました。被害者は金村剛弘(かねむらたかひろ)こと韓国籍の金剛弘氏。早朝とはいえ公衆の面前での集団リンチという凄惨な犯行現場を複数の通行人に目撃されたことから、犯人検挙は時間の問題とされていましたが、いまだに犯人は逮捕されていません。また金村剛弘氏が半グレ集団関東連合の関係が深く、暴力団とのトラブルが真相にあるとも言われています。(以下敬称略)
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◼︎凄惨な犯行には暴力団とのトラブルが見え隠れする
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金村剛弘は新宿で韓国食材を輸入する会社を経営すると言う表の顔を持つ一方で、半グレ集団の関東連合の関係が深く後見役的立場にあったと言われています。また関東の広域暴力団にも所属していたことから反社会的集団との深いつながりがあったことが推測されます。当時の金村はプロレスラー並みに体を鍛え上げ、腕力にものを言わせて暴力で服従させる強面で、喧嘩では向かうところ敵なしだったとも言われています。これほど屈強な金村が凄惨なリンチを受ける直接の発端になったのは、犯行日前々日の料理屋でのトラブルが関係しているとみられています。その日、関東連合のメンバーが数人で食事をしていたところへ、山口組系の暴力団構成員数名も同じ場所で食事をとっていました。会計時になって互いの存在に気が付くと、店外に出てからいがみ合いになり、暴力団側の一人を金村が一撃で殴り倒します。その威力にたじろいだ暴力団はその場から逃走。翌日には関東連合の見立真一の誕生日パーティーが某カラオケ店で開催され、その場に金村も呼ばれて参加しています。宴たけなわになり解散したのは早朝4時、機能の事件もあるので気を付けるよう後輩から忠告を受けて直後に、事件は発生します。金村は屈強な男数人が鈍器を使用した凄惨なリンチで、命乞いをするも受け入れられず、こと切れるまで殴打し続けるという悲惨な状況だったと言われます。
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◼︎復讐を誓った関東連合、4年後の殺人事件との関係があるのか
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金村剛弘は現役メンバーではなかったものの、リーダー格である見立真一とも良好な関係を維持していたことから、関東連合のメンバーは復讐を誓いました。事件が解決を見ないまま4年経過した2012年に、同じような手口で、バットで滅多打ちにされて殺害されるという事件が発生します。金村剛弘殺人事件を髣髴させる手口が発生したのは、六本木の飲食店、被害者は都内で飲食店を経営する藤本亮介氏。犯人グループは店内に入ると、無言で藤本氏の周囲に接近し無言のまま執拗にバットで頭部や顔面を殴打し続けたとされています。病院に運ばれた藤本氏は顔面打撲や頭部打撲傷による頭蓋内損傷が原因で死亡が確認されました。
実は藤本氏が現場で被害に遭ったのは、関東連合の復讐に備えていた別の人物の影武者に利用されたことが原因とも言われています。その人物とは金村がギャンググループを結成した当時から因縁のあるKという御仁です。Kは山口組系暴力団に属しており、事件直前には金村を脅すなど険悪な関係にあったとされています。Kは一見すると暴力団と関東連合構成員との些細な喧嘩の復讐劇に見せかけてリンチ事件を実行しました。しかし、ことの真相は関東連合を潰すために金村と暴力団とのトラブルを利用して、金村を凄惨な方法で殺害することで関東連合を叩き潰すことを企図していた点にあると推測されます。
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◼︎まとめ
金村剛弘殺人事件には、裏社会における暴力団と半グレ集団との時には対立し、時には利用し合う共生関係など複雑な関係性が見え隠れします。また半グレ集団同士の人間関係も深く関係しています。この事件を契機に関東連合は暴力団的色彩を強くし、法律改正などもあって警察の取り締まりを受けるようになり、2012年の殺害事件を機に事実上壊滅しました。真相には反社会勢力同士の微妙な力関係が関係していますが、藤本亮介氏殺人事件の主犯格もいまだ検挙されておらず、司直による真相解明は進んでいいません。