横綱白鵬の強さを理解するには、その通算勝ち星を見れば歴然とします。1050勝は歴代1位。幕内の勝利数も956勝で1位です。2位魁皇はそれぞれ1047勝、879勝ですが積み重ねた場所数が横綱に比べて多いため、白鵬がいかに早く1050勝に到達したかが分かります。また幕内最高優勝の回数は39回、戦後抜かれまいと言われていた横綱大鵬の32回を超えて、さらにその数を伸ばしています。
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その強さの秘密は?
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その強さの秘密は、体の柔らかさ。相手力士の力を巧みに分散させ得意の四つ相撲にもっていきます。力が吸収されると対戦力士が表現するほど。加えてモンゴル出身力士の特徴である動きの俊敏さも合わせもちます。相手有利な四つになっても、素早く上手を下手に巻き替え一気に土俵際まで追い詰める相撲は迫力があります。もともと得意は右四つ。右手が下手の型です。しかし横綱になってからの白鵬は、突き押しや張差し、投げや引落しなど四つにこだわらない臨機応変さが見られます。
白鵬は理想的な体系を維持
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自分の型を持ちつつも相手に対応できるため、対戦力士にすれば弱点が少ない横綱といえます。技とは別の角度から見て白鵬の凄さは、休場の少ない点です。横綱になってからのその数は、歴代2番目に少なく体調管理に人一倍気を使っている証拠でしょう。以前に比べ太り過ぎと言われる力士が多い中で、白鵬は理想的な体系を維持し続けています。そのことについて相撲協会の理事長も褒めています。
奥さまの力は大きい
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これほど力士として完璧な横綱を支えるのは、やはり奥さまでしょう。心技体を磨き結果を残すのは力士本人ですが、栄養面やメンタル面で奥さまの力が大きいといえます。馴れ初めは奥さまの父親が、同じモンゴル出身横綱朝青龍の後援会長であったことです。二人は同い年。その後交際を重ね、奥さまは当時まだ大学生だったのですが、2007年結婚されました。1男2女のお子さまも授かり、優勝したときを初めとして様々なイベントにも家族で出席しています。これだけの成績を残す横綱ですから、将来は親方になるはず。
白鵬を悩ませる問題は国籍
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しかし、大相撲の親方は日本国籍を取得する必要があり、未だモンゴル国籍である白鵬を悩ませる問題です。ただ、奥さまは日本人ですし、子供たちも日本の風土環境で育ち、横綱自身も日本人以上に日本的風習の中で精進しているわけですから、大相撲がより良く成長するためにも是非親方になって欲しいもの。外国人力士の規制はあるもののモンゴル以外に様々な国から角界入りしています。その変化に応じたアイディアを生み出せるのは横綱白鵬が相応しいでしょう。