多田野数人は現在石川ミリオンスターズに在籍するプロ野球選手です。1980年生まれ、いわゆる松坂世代の一人であり、大学時代は現・福岡ソフトバンクホークス所属の投手である和田毅投手や2016年シーズン横浜DeNAベイスターズから戦力外通告を受けた長田秀一郎と並び称される本格派投手でした。
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本格派投手
ドラフト指名直前に故障したこと、スキャンダルが発覚したことなどを理由に指名を見送られてしまいますが、野球を続けるため単身メジャーリーグ挑戦を目的として渡米しました。ケガにも泣かされてきましたが、米アスレチックス、日本では北海道日本ハムファイターズで先発、中継ぎなどどんな場面でも投げてチームに貢献しました。
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野球ファンの間ではその踏み込みが小さく、ぎくしゃくとしたぎこちない「ガチョーン投法」とも言われるフォームからキレとコントロールの良いボールを投げることで知られている多田野数人投手。お茶の間の皆さんには「スカイツリーボール」とも呼ばれる高く山なりとなる軌道の60km/hほどのスローボールを投げることで知られているのではないでしょうか。投げれば中継の画面枠からボールが消えるこのボールはレギュラーシーズン中にも何度も投げられ、数多の強打者の目を欺いてきました。
独立リーグのチームに入団
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しかし、2014年を最後に北海道日本ハムファイターズから戦力外通告を受け、選手兼投手コーチとして石川ミリオンスターズという独立リーグのチームに入団しました。野球を続けるため、もう一度プロ野球の世界に戻るために選んだ道でしたが、石川ミリオンスターズでは一年目から防御率2点台の成績を残します。その前のシーズンまでプロ野球の世界で切磋琢磨していただけに、独立リーグではエース級の働きをすることが出来ました。
2016年、2017年もプレーしましたが、1年目のような成績は挙げられず星取でも五分が続いています。年齢的にもラストチャンスは迫ってきています。同期である松坂世代の選手が次々に世代交代の憂き目に晒されていますが、ここでもうひと踏ん張りして欲しいものです。
もう一花咲かせてほしい?
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そんな野球に集中したい、という事情もあってか多田野数人投手は未だに独身のようです。プロ野球に復帰する、という夢を追うことはいばらの道である、と言わざるを得ませんので、そのあたりに理解のあるパートナーでなくては難しいのかもしれません。
多田野数人投手は未だにスローボールの代名詞的な存在として野球ファンの間で語り継がれています。もう一花咲かせてほしい、という多くのファンの願いは果たして叶えられるでしょうか。