モンテッソーリとはイタリア人女性のマリア・モンテッソーリという医師が生み出した教育法で、子供が物事を急速に吸収していく「敏感期」に注目したものです。この時期に才能を最大限引き出せる援助を行うのが目的です。大人が口出しをして子供の邪魔をするのではなく、あくまでもサポートし環境を整えることに徹します。モンテッソーリにはいくつかの特徴があります。
写真:才能開発教育研究財団
1.個別で活動させる
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集団生活をさせると、自分以外の誰かに合わせる必要が出てきます。個別活動は本人の好きなようにできるので、自主的な活動が妨げられません。子供自身が友人と遊ぶことを選ぶ場合、集団で動くこともあります。
2.自発的な活動
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絶対に大人の意思で子供を動かしてはいけません。モンテッソーリ教育では遊びも「お仕事」と呼びます。親は我が子の将来について具体的なイメージを持っていることも多く、やって欲しいことを指示しやすいです。しかし子供が自分でやりたいことを見つけることも大切です。
3.縦割り教育
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幼稚園や小学校に入ると、集団で生活せざるを得ません。その場合は同じ年齢の子供を集めるのではなく、3歳くらい幅を持たせてクラスを作ります。1クラスに3歳の子供もいれば5歳の子供もいます。
4.5つの分野に専念
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モンテッソーリでは5つの分野を集中的に学ぶ機会が多いです。1つは運動で、2歳~3歳の子供が思ったように動ける運動能力を鍛えます。2つ目は感覚で、周囲との違いを見つけ自分を知ります。同じ物と違う物を見分け、自我の芽生えをサポートします。3つ目は言語で物に名前があり性質を示す言葉があり、物をつなげて考えるという3つの観点を段階を踏んで教えていきます。4つ目は算数で最初は具体的な物を理解させます。少しずつ抽象的な考え方を身につけさせ、難しい計算をこなすよりも考え方の構築を重視します。5つ目は文化です。今までの4分野は基本的な力を習得することが目的で、最終的に歴史や音楽などに触れて吸収する力を養います。
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モンテッソーリには教具と呼ばれるものが存在します。言語を学ばせる時のカードなどが教具です。一般的にはおもちゃと見なされますが、正式には違います。学校で使う教材でもありません。それらの中間的な位置づけで、子供が自然と手にとってお仕事できる環境を提供します。日本でモンテッソーリを取り入れている幼稚園や保育園は少ないですが、家庭でも教具を揃えて大人がそっと見守ることで実践可能です。