「あたし、恋愛するわ!」
去る2月16日の放送で、こう宣言したフグ田サザエさん(24)。磯野家にも不倫の波が押し寄せているのでしょうか…⁉
磯野家に一体何がおこっているのか…⁉
「現在もスポンサー9社を抱え、広告媒体としても人気は健在です。視聴率は常に10%を超え、民放アニメトップ。18年に、長年メインスポンサーだった東芝が降板すると、代わって参入したのが、IT大手のAmazon。世界経済を象徴するような交代劇だと広告業界でも話題になりました」(広告代理店関係者)
昨年、『サザエさん』(フジテレビ系)は、アニメ放送50周年を迎え、今年 1月30日は原作者の故・長谷川町子氏が生誕100年を迎えたと言うのですが…。
そんな磯野家にある“異変”が起きているようです。16日の放送では、サザエさんから冒頭の“不倫宣言”が飛び出すと、マスオさんが、「けしからんじゃないか! 僕という者がありながら」と色をなす一幕がありました(実は単にトランプで自身の未来を占っていただけ)。
最近は他の放送回でも、2月9日の放送では、サスペンスドラマを見るワカメちゃんが、サザエさんから「ねえ、どうなった?」と聞かれ、「社長の愛人を埋めたとこ〜」と実況。波平さんが「これが9歳の子供とかわす会話か」と嘆息します。
また、1月12日の放送では、近所の防火活動に励むカツオが、サザエさんの友人の不倫現場を目撃。カツオはこの友人から口止め料としてケーキをご馳走されます。
原作はツッコミどころ満載⁉
『サザエさん』が、“スキャンダル”路線に走っているのか?「サザエさんじゃんけん研究所」の高木啓之所長に聞いてみました。
「いえ、特に最近内容が変わったとは思いません。視聴者が違和感を持つような単発ネタには原作がありますが、もともとツッコミどころ満載なんです。脚本家が長谷川さんの四コマ漫画の元ネタをツカミに使ったりオチに使ったりするのですが、どこでどう使うかによって、見え方が違うだけではないでしょうか」
長谷川氏は、1946年から74年まで朝日新聞などで「サザエさん」を連載。これが今もアニメの元ネタになっているのです。調べてみると、カツオの不倫目撃は 64年11月27日の朝日新聞に掲載。同日の紙面には、窃盗事件の主犯が、盗んだスイス製高級腕時計約500個を愛人宅に隠していたことが報じられており、当時の世相を取り込んでいたことがうかがえます。
アニメ制作会社エイケンで、30年以上同番組に携わる田中洋一プロデューサーにも話を聞くと…。
「約7000本ある原作から今の時代に合わないものなどを除いて約2000本をベースにしています。季節やテーマに合わせて1話(約7分間)につき5〜6本を選び、脚本家の先生がその中から最低1本、多い時には全てを使って毎回新しいお話を書く。1度使った原作は、その後2年間使いません」
放送第1回から脚本を担当、イクラちゃんの名付け親でもある雪室俊一氏は…。
「ぼくの場合は、原作を1本だけ使います。原作はキャラクターがいきいきとしている。そこを活かして今風に話を膨らませています」
“過激化”疑惑にプロデューサーは…
田中プロデューサーに“過激化”疑惑を尋ねてみると…、
「過激化の意図はないし、時流も特に意識していません。極力、町子先生の原作を変えないようにしているんです。ワカメちゃんが言った『愛人を埋めたとこ』も、実は乱暴じゃないかという声もあったのですが、なるべくニュアンスを残そうと。アニメサザエさんを教科書のようにお堅く捉える方もいらっしゃるようですが、基本は漫画でありアニメ。日常の中でクスッと笑えることを描いて楽しんでもらうことを大切にしています」
今回の不倫騒動は “タマタマ”続いていただけだったようですね?…。