パリの繁華街シャンゼリゼ通りの近くの高級ホテル前で7日、日本人の男性実業家(30)が約80万ユーロ(約9400万円)相当の高級腕時計を盗まれる事件がありました。8日、仏紙パリジャンなどが報じました。
パリジャン紙などによると、男性が7日午後9時半ごろ、滞在していた凱旋門近くの五つ星ホテル・ナポレオンの外で喫煙していると、近づいてきたパーカ姿の身長1.8メートルほどの男からたばこを1本求められたそうです。男は男性が左手首につけていた高級腕時計を確認すると、男性の腕をつかみ、時計を強引に奪い取って逃げたといいます。男性にけがはありませんでした。
奪われた時計はスイスの高級腕時計ブランド、リシャール・ミル製の「トゥールビヨン・ダイヤモンド・ツイスター」でした。同社サイトによると、腕時計の外観部分には約270個のダイヤがあしらわれ、30個しか製造されていない限定モデルだといいます。高額品だったことから、捜査は組織犯罪捜査部門に引き継がれました。
パリではこの数カ月、高級腕時計の盗難事件が相次いでおり、今年に入って8月までに71件の被害届が出されていたそうです。リシャール・ミル製の時計も少なくとも4本盗まれていました。
同社製の腕時計はケース部分が大きく、複雑な内部機構が見えるようになっています。時計愛好家から高い評価を受けており、裕福な旅行者を狙うパリの強盗やすりに目をつけられやすいそうです。
事件のほとんどは、高級ホテルや宝飾店が並ぶシャンゼリゼ通り周辺で発生しました。7月には1日で4件の盗難事件が起きた日もあり、総額19万ユーロ相当の腕時計が盗まれていました。
盗難品の時計は闇市場で市価の30~50%の値段で転売されているといいます。腕時計を盗む手口はさまざまで、被害者が殴られたり、スクーターではねられたりすることもあったそうです。たばこを求めたり、写真を撮ると見せかけて腕時計を盗んだり、車のバックミラーにぶつかって運転車がミラーを直そうと手を伸ばした隙に腕時計を奪う手口もあるそうです。
今回の事件に対してSNSではこのような反応が上がっています。
・9000万円相当の腕時計ってすげえな、腕時計に住めるとか腕時計で道路疾走できるとかないとそのくらいの価値見出すの厳しくないか。
・9000万円の腕時計とか付けたら永遠に手震えてそう。
9000万円の腕時計が(世の中に)あるということを受け入れたとしてもその腕時計を常用する人がいるってことに大変驚いています
パリで日本人が9千万円の腕時計盗まれる 世界で30個:朝日新聞デジタル https://t.co/BYOSxO4vPL
ADVERTISEMENT — きじもとしんや (@kijimoto) October 8, 2019
など、やはり9000万円というケタ違いの金額に仰天しているようですね。
警察筋によれば、今回の犯人は逃げる際に携帯電話を落としており、被害者には希望もありそうです。この携帯電話は、すでに重大な強盗事件や組織犯罪を捜査する部署に引き渡されています。