文化の違い:アメリカ人とイギリス人
英語という同じ言語を母国語として使っているアメリカとイギリス。
日本人からすれば見た目も似ている西洋人であり、歴史的なつながりも深いため、アメリカとイギリスを同じようなものだと捉えがちかもしれません。
しかし国が違えば文化も異なり、アメリカ人とイギリス人も大きく異なるのです。
遠い国の日本人にはあまり想像しにくいかもしれませんが、アメリカ人とイギリス人の違いについて紹介しましょう。
1)笑いのセンス
イギリス人はドライで間接的なのに対しアメリカ人は大声で直接的
日本国内でも大阪と東京で笑いのセンスが異なるように、アメリカとイギリスでも大きく異なります。
アメリカ人は繊細なユーモアに慣れておらず、イギリス人のジョークが理解できないのだとか。
イギリスのお笑いとして代表的なのがモンティ・パイソンです。
皮肉や言葉遊びが多いのが特徴で、間接的な言い回しをし悲観的です。
一方でアメリカは直接的で、面と向かってはっきりというのが特徴です。
言葉をかけたりせず考えなくても伝わるジョークや、はっきりと誰でもわかる大騒ぎするような笑いを好みます。
アメリカ人の笑いは明るくポジティブなものが多いです。
2)銃
文化に大きく影響を与えたのが銃の所持です。
アメリカはご存知の通り銃社会です。
一般人も銃を所持することができ、小学生のころから銃の使い方を学ぶことができます。
しかしこの文化をイギリス人は理解しがたいと思っているそうです。
イギリスでは警察ですら銃を持っていません。
アメリカでは市民が銃を持っている危険性が高いため警察も銃を所持しているのです。
反対にイギリスは警察に銃に打たれる心配がないので市民も警察との信頼関係が生まれているのだとか。
しかし皆さんもご存じのとおり、イギリスの治安は決して良いとは言えません。
3)王室
アメリカ人は王室を好みません。
しかしイギリス人は王室を好みます。
イギリス人が王室を崇拝しているとまでは言いませんが、歴史や伝統の枠を超えて敬意を抱いているのは確かです。
反対にアメリカは、理念が自由であるので、王室は彼らの自由が抑圧されていた時代を思い出させるため、否定的な考えを持った人が多いとされています。
4)歯並び
アメリカ人は歯並びを気にし、イギリス人は特に気にしないのだそうです。
イギリス人が歯の健康に無頓着なわけではありませんが、そこまで大きく気にしていないのです。
アメリカでは小学生のころから矯正を行うため、歯並びが良い人が多いのです。
中の下クラスの所得層でも子どもの歯の矯正は行っているのだとか。
5)卵の保管
皆さんは卵をどうやって保管しますか?
イギリス人は冷蔵庫に入れず常温で保管し、アメリカ人は冷蔵庫に入れて保管するそうです。
アメリカでは卵の細菌を除去するために洗われており、その先にクチクラという天然のコーティングも洗い流されてしまうので冷蔵庫での保管が必要となります。
一方でイギリスではクチクラを洗い流すことで一層細菌が繁殖すると考えているため、こういった洗浄処理を行いません。
そのため冷蔵で保管する必要がなく、食べる前に洗うのだそうです。
これはイギリスのみならず大半のヨーロッパにおける文化なのだとか。
6)乾燥機
日本では乾燥機付きの洗濯機が多く出回っていますが、アメリカやイギリスではどうでしょうか?
なんとイギリスで衣類乾燥機を持つ家庭はアメリカの半分だと言われているそうです。
アメリカは80%近くの家庭に乾燥機があるそうですが、イギリスはその半分なのです。
アメリカは洗濯物を干すという行為が社会規範に反するとすら見なされるようになっており、乾燥機で乾かす人が増えているのだとか。
7)氷
飲み物に氷が入っているかいないか、という違いもあるといいます。
アメリカではソフトドリンクに氷は必須です。
スターバックスですら氷をたっぷりといれてくれます。
しかしイギリスでは’ソフトドリンクにたっぷりの氷’というのは一般的ではありません。
アメリカよりも値段が高く、またアメリカのように無料のおかわりも実施していないため、氷で飲み物の量を減らされては困るのです。
8)テレビ番組
アメリカのテレビ番組は直球で直接的だと言われています。
アメリカでは先ほどの笑いの文化でも見えたように、大騒ぎが大好きです。
そのためドラマティックな展開を好み、間にCMを挟んで緊張感をあおる演出を好む傾向にあります。
一方でイギリスのテレビ番組は静かなものが多いといいます。
BGMも控えめで穏やかな雰囲気になっています。
9)思考
アメリカ人はポジティブで理想主義的であり、イギリス人は悲観主義的です。
陽気なイメージがあるのがアメリカ人かと思います。
イギリス人も同様に陽気かと思いきや、意外にも悲観的なのです。
アメリカ人は企業家精神の影響で楽観的だと言われています。
楽観的な場面ではないような状況でも楽観的なのがアメリカ人の特徴でしょう。
一方でイギリス人は、悪いものは悪いと捉える傾向にあります。
非常にネガティブなわけではありませんが、楽観的とは程遠いでしょう。
10)宗教
アメリカ人が信仰深いのに対し、イギリス人はそこまでではありません。
アメリカ人のほとんどが何らかの宗教を信仰しているといわれています。
一方でイギリスは多くの人が無宗教です。
ある調査によると、イギリスは宗教性という点で最も低い部類の国だということも明らかになっています。
イギリス人にとって日常や文化に宗教はあまり重要ではないようです。