大泉洋といえば、「探偵はBARにいる」シリーズや「真田丸」「救急救命病棟24時」などで知られる個性派俳優。しかし彼は北海道時代、まさかこれほどの俳優になるとは本人も、周りも誰も思っていなかったはずです。
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大泉洋の原点は、大学時代のサークルにあります。仲の良いメンバーで作った「チームナックス」という劇団で、大泉洋は台本を描いたりお芝居をしていました。そのときに、「札幌の演劇シーンで最も売れている男」という人物と出会ったことから、運命が転がり始めるのです。
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その男の名前は、鈴木貴之。今の大泉の事務所の会長です。彼は自分の担当する深夜番組に大泉を北海道のローカル深夜番組に出演させたことが大泉の運命を変えてしまいます。
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「水曜どうでしょう」。この番組は1996年、まだ大泉洋が大学生の頃に始まりました。深夜番組ということもあり、やりたい放題だったのですが、やがてサイコロの目で行き先を決めるサイコロ旅が道民にウケ、そこから大泉洋の名前が知られるようになったのです。実際、彼は非常に悲惨な目にあっています。このローカル番組の売りは「いかに大泉洋をだますか」というポイントも絞られ、大泉の知らないうちに海外に連れ出されたり、拉致されたりすることがありました。伝説のエピソードはたくさんあります。まず「水曜どうでしょう」で初めてヘリコプターに乗った大泉。カメラが回っているその前で、見事に吐いてしまいました。これはまさにその瞬間まで放送され、ショックを受けた道民も多かったことでしょう。
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さらに、同番組でジャングルに挑む企画があった際、明かりのないトイレで用を足さなければならなくなった大泉。なんとカメラスタッフのビデオカメラの照明の光のもと、トイレをすることとなりました。この様子もDVDに収録され、30代となった大泉が泣きながらジャングルの奥地で大をするという様子がおさめられています。
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他にも北海道の釣りで船酔いをし、見事にリバースした様子が放送されたり、ラジオ収録の最中に突然現れたスタッフによって外国へ拉致されたり、見ている側は面白いのですが、毎回騙される大泉洋は本当につらかったことでしょう。その甲斐があったのか、「水曜どうでしょう」はやがて北海道ローカル番組の枠を超えて、DVD通販などで楽しまれるようになりました。それでも基本的に大泉は変わりません。相変わらずぼやきをかまし、たまに「チームナックス」の仲間と真面目な演劇やバラエティをしながらも、いつでも「水曜どうでしょう」には彼の姿があるのです。何故なら酔っ払ったディレクターに「一生どうでしょうします!」と宣言してしまったのですから。