インドでロープと鋼鉄の鎖で手足を縛った状態で水中からの脱出マジックに挑戦し、行方不明になっていたマジシャンが17日夜、遺体で発見されたことが明らかになりました。
インドで水中事故があったとされるのは16日のことでした。インド北東部コルカタの川で、水中脱出のマジックに挑戦した奇術師の男性がそのまま行方不明となり、現地の警察は水死した恐れがあると発表しました。遺体で見つかったのは「ジャドゥガル(マジシャンの意)・マンドレーク(Jadugar Mandrake)」の芸名で知られるチャンチャル・ラヒリ(Chanchal Lahiri)さん(40)ということです。
ラヒリさんは遺体で発見された前日の16日、西ベンガル(West Bengal)州の州都コルカタ(Kolkata)を流れるガンジス(Ganges)川の分流、フーグリー(Hooghly)川に、鎖とロープで体を縛った状態で、マジックを見守る仲間たちに手伝ってもらいながらクレーンで水中に沈められました。 しかし、手足をきつく縛った状態だったラヒリさんは水面に戻ることはなかったといいます。
過去にも同じような脱出マジックを何度も成功させていたということでしたが、この日は約30分過ぎても水面に現れず、ラヒリさんを見守っていた家族や見物人、報道人などの関係者らは悲しみと恐怖に包まれました。主催団体は当局からマジックショーの許可を得ていて、警官らが橋の上をパトロールしていたといいます。また、現地の警察は当初、ラヒリさんが姿を消したこともマジックの一部だと思っていたといいますが、事態に気付くとすぐに捜索を開始したそうです。
水死したとされるラヒリさんは今回のスタントについて、20年前に同じ場所で成功させた脱出マジックを振り返っていました。事前のインタビューでは「もし鎖を解けたなら魔法だ。もし解けなかったら悲劇だ」と語っていたことも明らかになっており、「マジックに再び注目を集める」ために命知らずのスタントを行うと述べていました。
まさかの本当の悲劇の展開になってしまったこの水死事故に、ネット上からは以下のようなコメントが寄せられています。
「小さなお子様は真似をしないでください。」
「自分の技にも溺れてしまった」
「危険なマジックはやめるべきですね」