閉経するまで自然には治らない
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女性の方ならご存知の方も多いかとは思いますが、そもそも子宮内膜症とは、子宮内膜組織が本来あるべき場所以外のところに存在し、エストロゲン(卵胞ホルモン)により増殖、進行する病気です。子宮内膜と同じように、月経周期ごとに発育・出血を繰り返しますが、血の出口がないため、血腫になったり、周りの組織と癒着を起こし、ときに激痛を伴います。
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歳を取り、月経を重ねるごとに悪化する傾向があるため、閉経するまで自然に治ることはありません。悪性ではなく良性なので、症状がないうちは放置しておいて大丈夫!なんですが、痛みを伴う場合は早めに婦人科を受診することをおすすめします。また、症状をコントロールしながら病気と付き合っていくことが大切です。症状がなくても、40歳を超えた人であれば、ごくわずかですが、がん化の可能性があるので、女性検診は必ず受けてください。point 271 | 1
低用量ピルは将来の子宮内膜症、不妊予防にも
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先ほども申し上げたように、軽度の場合は鎮痛剤で様子を見ますが、万が一我慢できないぐらいにつらくて重い症状が出ている場合は、低用量ピルの服用をおすすめします。ピルは、経口避妊薬として知られていますが、子宮内膜症による生理痛や、子宮内膜症が確認できない生理痛の治療薬としても、健康保険の適用が認められています。しかし、ピルの服用について覚えておきたいことは、血栓症のリスクが上がるといわれているので、40歳以上は慎重投与で、50歳以上は使用できません。point 317 | 1
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娘さんのいるお母さんにぜひ知っておいてほしいのは、10代~30代の若い人であれば、低用量ピルは血栓症のリスクはほぼなく、生理痛のコントロールに適しているということです。また、低用量ピルの服用によって、将来の子宮内膜症や、子宮内膜症による不妊の予防にもつながるということです。娘さんに、学校に行くのもつらいような生理痛がある場合は、先にお母さんが婦人科に行って、「ピルがいいと聞いたけれど、怖いので詳しく教えてほしい」「内診はありませんか?」など、聞いてみるのもいいでしょう。point 306 | 1