6月5日に札幌市で池田詩梨(ことり)ちゃん(2)が衰弱死し、母親の池田莉菜容疑者(21)と、交際相手の藤原一弥容疑者(24)が傷害の疑いで逮捕されましたが、今回もまた児童相談所と警察の間で意見の食い違いがあった模様です。またもや救われなければならない命が救われなかったことに、世間では怒りを隠し切れません。
札幌の児童相談所が記者会見を行う
詩梨ちゃん虐待死の件で、6月10日に児童相談所が一連の対応についての会見を行いました。児童相談所側によれば、5月13日午後10時ごろ、池田容疑者と面会しようとした警察の同行要請に対し「夜間のため人繰りが厳しい」という理由で同行しなかったとのこと。さらにその2日後に、警察から「池田容疑者と面会する約束がとれた」との連絡が入った際には「児相が一緒にいると、また機嫌を損ねて会うことすらできない」と、最終的には面会を拒否されたと話しています。その後、単独で面会をした警察から「詩梨ちゃんに小さな怪我やあざはあるが、虐待の疑いはない」との報告を受けたといいます。point 359 | 1
児童相談所と警察の意見が食い違っている?
このような児童相談所の報告に対し、警察は「そのような事実はない」と真っ向から否定。双方の見解が食い違っていることが分かります。さらに警察は児童相談所側に「臨検」(虐待の疑いがあり親が面会を拒否している家庭にも、裁判所の許可を得て強制的に行える立ち入り調査)の検討を求めたといいますが、児童相談所はそれを行わなかったそうです。point 247 | 1
これには「(警察とやりとりした)当人は、臨検捜索をしませんかというふうには、少なくとも受け取っていない状況」と説明。また、連絡そのものが取れない状態が続いた池田容疑者に対し、臨検の前段階である「家庭への立ち入り」を行っていないため「臨検にはいきなりは飛びつきません」と児童相談所側が言及しています。point 214 | 1
児童相談所が夜間対応施設に依頼していなかったことも判明
また、児童相談所は虐待通告の夜間の対応を委託している施設にも依頼をしていなかったことが判明。札幌市では夜間や休日に虐待の通告があった際、初期対応について市内にある児童家庭支援センターに業務委託することになっています。しかし、支援センター側は児童相談所からの依頼は無かったと回答。これに対し、児童相談所は「現場に着くまで1時間かかるため断念した」と話していることから、なんだか児童相談所側の対応がずさんなことが感じられますね。point 317 | 1
児童相談所は虐待されている児童の唯一の救いの窓口であるはずなのに、その児童相談所が何もしてくれないとなると、不信感が募るばかりです。児童相談所側の積極的な協力がない限り、今後も児童の虐待死は無くなることはないでしょう。