福井県敦賀市道口(みちのくち)の住宅で住人の親子3人の遺体が見つかった事件で、18日に3人のうち、会社役員、岸本太喜雄さん(70)が軽い脳梗塞の後遺症で足が不自由になり、母の志のぶさん(95)が要介護1の認定を受けていたことが県警への取材で分かりました。太喜雄さんに対する殺人容疑で逮捕された妻で会社役員の政子容疑者(71)は「3人の首を絞めて殺害した」と供述しているということです。
JR敦賀駅から南へ約2・5キロの住宅地、福井県敦賀市の会社役員岸本太喜雄さん(70)宅に遺体があると、17日午前7時50分ごろ、岸本さん宅を訪れた親族から110番通報があり事件が発覚。県警敦賀署員が駆けつけたところ、男女3人の遺体があるのを確認しました。また同日の夜、このうち1人に対する殺人容疑で妻で会社役員の政子容疑者(71)を逮捕したことを県警は発表。県警によると、17日ごろ、政子容疑者は、岸本さんの首を絞めるなどして殺害した疑いが持たれていました。
亡くなった3人は、岸本さんと、岸本さんの父・芳雄さん(93)、母・志のぶさん(95)。芳雄さんら両親は1階寝室のベッドの上で仰向けで倒れており、岸本さんは2階寝室のベッド近くの床に仰向けでいたようです。「3人の首を絞めた」と供述している政子容疑者。岸本さんの遺体の近くに落ちていたタオルが凶器とみて県警は調べています。
政子容疑者は、17日朝の遺体の発見時、自宅にあった睡眠薬を飲んでおり、一時搬送されましたが命に別条はなかったようです。近所の住民によると、岸本さんは政子容疑者と両親との4人暮らしだったそうで、岸本さんは芳雄さんの起こした建設会社を後継ぎし、一時は社長を務めていましたが大病を患った後遺症で足を悪くし杖が必要な生活していたといいます。政子容疑者は岸本さんを含め義父母と3人の面倒をみていて、最近では「体調が悪い」「しんどい」などと周囲に漏らすことがあったようです。
ひとりで3人の介護をするのはとても大変な状況だと思えます。政子容疑者を心境を考えると、一方的に責めるのではなく限界が来てしまったのかという気がします…。ひとりで抱え込まず、介護の相談や援助を受けれなかったのでしょうか…。
老老介護が起こした痛ましい事件ですが、どの家庭でもこのようなことが起きる可能性があります。長生きすれば素晴らしいように聞こえますが、それは自立できていればのこと。自立できなくなった時には「施設に入る」ことが迷惑かけない大きな判断ではないでしょうか。
しかし、「施設に入る」としても毎月結構な額の金額がかかり、貯えや金銭面に余裕がない家庭は負担が大きいことも事実。金銭的な問題で入所できない場合もあると思います。今後ますます高齢化が進み、社会問題化していくことは明らかです。他人事ではなく、私たちが一人一人真剣に考え、取り組むべき課題になるでしょう。