北朝鮮の朝鮮労働党機関紙『労働新聞』は昨年12月22日、金正恩総書記が統治してきた10年間を振り返る記事を掲載し、「今年(昨年)は試練において建国以来最悪」指摘しながらも「人民のための献身においては10年の絶頂だった」と、正恩氏の献身ぶりをたたえることで締めくくりました。
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昨年12月17日、金正日総書記の死去から10年を迎えた北朝鮮は、金日成主席、正日氏の遺体が安置されている錦繍山太陽宮殿広場で『逝去10周忌中央追悼大会』を開催しました。10年前の葬儀で、正恩氏と共に霊柩車を囲んだ幹部7人は、粛清や世代交代で全員が表舞台から消えました。正恩氏は独裁体制を永続化させるため、これまで党規約や憲法を改正し、繰り返し”エレベーター人事”を行うなど、強権政治を維持してきました。point 267 | 1
そんな情勢下で追悼大会に参加した正恩氏の顔が、どす黒く老け込んで見えたことで、韓国メディアを中心に「健康不安説」が再び持ち上がっています。北朝鮮ウォッチャーは、「当日の気温は零下5~6度、体感温度は零下20度と伝えられています。本当に健康状態が悪ければ、行事への参加を取りやめたり、正恩氏の居場所を屋内に変更したりしそうなものですから、老け顔は低い気温のせいかもしれません」と語りました。point 248 | 1
一方で生前の正日氏が、愛娘の金与正党副部長を「彼女に口ひげがあったなら後継者にしていただろう」と、高く評価していたのは有名な話だが、実際に与正氏の序列が上がったことが確認されました。国際ジャーナリストによると、「朝鮮中央通信が先の追悼大会に出席した8人の党政治局委員を紹介した際、続いて与正氏の名前が政治局候補委員よりも先に呼ばれました。つまり、政治局委員に昇格したのではないかと推測されるのです」と述べました。point 265 | 1
与正氏は昨年9月の最高人民会議(国会に相当)で党国務委員会委員に選出されたが、北朝鮮において形式的な地位や肩書は「白頭血統(日成氏の子孫)」に属する者には意味がないといいます。最高指導者である正恩氏と、どれだけ近い関係なのかが重要なのです。昨年の与正氏による公開活動は34回で、一昨年の17回に比べて倍増しています。外交業務を担当しながら非公開で地方を訪れ、軍部隊の視察や住民生活の動向を把握していることは、彼女が実質ナンバー2の地位にあることの証明とも言えます。point 286 | 1
正恩氏の次の4代目は誰が担うのでしょうか。正恩氏に子供はいるようだが、年齢はまだ幼いと推測されます。朝鮮中央通信は、昨年9月以来となる最高人民会議を今年2月6日に平壌で開くと発表しました。「与正時代」の幕開けを示す重大発表があるかもしれません。
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