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鳥山明、といえば漫画家の名前の中で知らない人はいないのではないかと思われるほどの有名な漫画家の先生であり、あの漫画の神様と呼ばれた偉大な手塚治虫先生に並んで知名度のある先生かと思われます。
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そんな鳥山明先生の代表作といえば、ロボットの少女がはちゃめちゃなアクションや破天荒なギャグを繰り広げるギャグ漫画ドクタースランプアラレちゃん。そして、山奥で1人で暮らす猿の尻尾が生えたあっけらかんとした主人公、孫悟空が七つの球を集めることでどんな願いでも叶うと言われている不思議な球を集める旅から、次第に彼にたちはだかる様々な強敵たちとの戦いを描いてくこととなるアクション漫画、ドラゴンボール。この2つの漫画が鳥山明先生の特に代表的な作品となっており、特に、ドラゴンボールにおいては1990年以前からスタートした作品であるにも関わらず、連載の開始から約30年後である2017年になってもその爆発的な人気はまったく衰えていない状態となっており、そのコンテンツによる収益は様々なアニメや漫画作品の中でも未だにトップクラスの成果を残すほどとなっています。そして、その人気は世界中にまで広がっており、ドラゴンボールのキャラクターの知名度は上位の位置づけとなっているほどです。
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そんな大人気作品を生み出してきた鳥山明先生の凄さは、漫画の線のタッチの縦横無尽さなどがあげられると思います。ドクタースランプアラレちゃんや42巻もの巻数を誇るドラゴンボールの初期などにおけるギャグ描写の多い場合は、全体的に柔らかで優しいタッチで描かれているのですが、ドラゴンボールの中盤から終盤にかけての命のやり取りが頻繁に行われるシリアスで真剣な闘いなどの場合は、非常にシャープで鋭い線で描かれるようになります。この線の使い方が非常に巧みであり、ドラゴンボールの初期と後期の絵柄を見比べるとまるで別作品かと思えるほど変化しており、同時にここまで変化出来てしまうのかと仰天するような変化となっており、鳥山明先生の漫画の凄さを物語っているのです。
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また、鳥山明先生はこだわるものにはとにかくこだわる方であり、特に機械やメカを描くのが好きであると公言されています。そのため、バイクや戦車の絵などは特に精密でパーツ一つ一つが細かく描かれており、またオリジナルの独創的な機械の絵にも関わらず、まるで本当に存在しているかのような仕上がりのイラストも多数存在しています。そんなこだわりあるイラストたちは多くの機械好きの心を鷲づかみにしており、鳥山明先生のイラストは美術の教科書に資料として掲載されるほどとなっています。このような独創的なデザインや、好きなものはとことんこだわるといった点も鳥山明先生の凄さの理由であるといえるでしょう。
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しかし、その一方で関心のないものはとにかく関心のないという点も鳥山明先生の大きな特徴であるといえます。国民的な人気と知名度を勝ち取り、自身の代表作であるはずのドラゴンボールですが、その連載を続ける過酷さや物語の終了地点が人気により先延ばしにされたという事情からか、鳥山明先生はドラゴンボールに関しての関心が極端に薄い状態となっており、そのためドラゴンボールの設定やキャラクターの多くを作者であるにも関わらず忘れてしまっている状態であり、本人も自覚してしまっているほどなのです。このような関心のないものはとにかく忘れてしまうというようなドライさも、同時に鳥山明先生を伝説的な漫画家へと成長させた要素であるといえるでしょう。好きなものとことん上手になれ、という言葉を体現していることが鳥山明先生の凄さの秘密の1つであるといえるのです。