スーパーマーケットが「セルフレジ」を悪用した万引き被害に頭を悩ませています。しかし、無罪になったケースも発生しており、「故意にレジを通さなかったのか、ただのミスなのかを見極めるのが難しい」とスーパー関係者は悩んでいるようです。
バーコードの読み取りや精算を客が自ら行うセルフレジは、人件費削減への期待や、新型コロナウイルスの影響で店員と客の接触を減らすメリットなどがあり普及しています。セルフレジの特徴は「非対面・非接触」にあり、その利点ゆえに店員の目は届きにくく、万引き犯は大胆な犯行に走りがちのようです。
【犯罪例1.
】「ピッという音を聞いて、レジを通ったと思った」。今年2月、北九州市のスーパーでウイスキーなどを盗んだとして、福岡県警に窃盗容疑で現行犯逮捕された中学校の男性教員(60代)は当初こう供述。しかし、調べが進むと、前日と前々日にも同様の手口で商品を盗んでいたことも判明しました。男性教員は不起訴となったが、3月に懲戒免職されています。【犯罪例2.】20年6月、熊本県宇城市の店舗でアイスクリームを盗んだ疑いで、男性消防士(20代)が現行犯逮捕されました。その手口は8個の商品のうち4個をリュックに入れ、セルフレジで精算せずに持ち出そうとする単純なものでした。
無罪判決も出ました。奈良市のスーパーのセルフレジで、水槽を買い物カートに載せたまま代金を支払わなかったとして、40歳代の女性が窃盗罪に問われました。奈良地裁は今年1月、「他の商品の精算に気を取られて、水槽の精算を忘れても不自然ではない」として無罪が確定しました。
店舗関係者たちは、万引き防止対策を急いでいます。九州で約20店舗を運営するスーパーも、昨年6月にセルフレジを導入した際、機器ごとに客の手元を映すカメラを設置。さらにレジ近くに店員1人を配置しました。担当者は「『見られている』との意識が犯行の抑止につながってほしい。被害に遭っても犯人の特定に役立つ」と話しています。
このニュースについてネット上では、「使う時は変に緊張して挙動不審になる」「複数商品あったらスキャン忘れる時ある」「万引きしやすそうって前から思ってた」などのコメントが寄せられていました。
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