通常の学級に在籍する小中学生の8.
8%に学習や行動に困難のある発達障害の可能性があることが、文部科学省の調査で分かりました。2012年の前回調査から2.3ポイント増えており、35人学級であれば3人ほどの割合となります。増加の背景には、発達障害への認知の広がりがあるとみられているようです。
調査は02年から10年ごとに実施し、今回が3回目です。公立の小中学生と高校生約8万8500人を抽出し、学習や対人関係で困難を抱える子どもの数を集計。医学的な診断基準を参考にした質問項目に担任教員らが答える形で判断したとのことです。回答率は84.6%(約7万4900人)。
「知的発達に遅れはないものの学習または行動面で著しい困難」を示し、注意欠陥多動性障害(ADHD)など発達障害の可能性があると推定された小中学生は8.8%で、前回調査(6.5%)より多くなりました。全国の公立小中学校で推計すると70万人を超えるとみられます。
文科省の担当者は増加の要因について、「保護者や教員の発達障害への理解が進み、対象者に気づきやすくなった」と分析しています。学習面などに困難が生じる児童生徒の割合は、学年が上がるほど低くなる傾向があるようです。高校生は今回初めて調査対象となり、発達障害の可能性があるとされた生徒は2.
2%でした。
今回の調査で発達障害の可能性があるとされた小中学生のうち、通常学級に在籍したまま必要に応じて別教室などで授業を受ける「通級指導」を利用していたのは10.
6%。教室内の座席の配置や本人の習熟度に応じた課題など、教員による「授業での個別の配慮・支援」を受けていない児童生徒も43.
2%いました。文科省は「教員個人の努力に頼り、学校として組織的な対応が十分でない」と説明しており、児童生徒への個別対応や通級指導の拡充を促しています。
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