28日朝、川崎市多摩区の公園付近の路上で連続殺傷事件が起こりました。事件現場となったバス停の向かいに住む男性は、子どもの悲鳴で目が覚めたと話しています。この事件で小学生16人、成人の男性と女性2人の合わせて18人が次々に刺されるなどして重軽傷を負っています。警察の調べによると犯人と思われる男性は自分で首を刺し自殺を図ったということです。
通学途中の小学生や大人を含む19人が、包丁を持った50代の男に突然襲われた事件。現場周辺の公園にいた男性(57)は事件前後、容疑者とみられる男の「ぶっ殺してやる」という興奮したような大きな叫び声が聞こえたと話しています。現場には、血だらけの子供達が路上に横たわり、犯人と思われる男性も首から血を流し倒れていたそうです。川崎市と川崎市消防局が開いた会見によると、事件が発生したのは5月28日午前7時41分ごろ。計19人がけがをし、重傷6人でうち3人が心肺停止、中等傷が5人、軽傷が8人だと報告しています。
そのうち死亡が確認された女児(12)と男性(39)を含む4人が運ばれた日本医科大学武蔵小杉病院(川崎市中原区)では、28日正午から田島廣之院長と松田潔副院長が会見を開きました。
松田副院長によると、同病院からは救急車2台に医師と看護師が1人ずつ乗って出動。現場に医師らが到着した時、女児はすでに心肺停止状態だったそうです。右鎖骨部から首の左側にかけて深い刺し傷が1カ所あり、蘇生措置をしながら搬送しましたが、午前10時27分に死亡が確認されました。
また、39歳男性は首の前側と左の鎖骨部と背中2カ所の計4カ所に刺し傷があり、医師らが到着した時点で心肺停止状態で、現場で蘇生措置を始めたが、午前11時25分に死亡が確認されたと話しています。ほかに搬送された6歳の女児2人は顔や手に切り傷を負っていましたが、命に別条はないそうです。
この凄惨な事件に、松田副院長は「犯人に激しい怒りを感じている。被害者には同情の念を禁じ得ない。どうしても命を救えず残念な気持ちでいっぱいだ」と無念の思いをコメントしています。
捜査関係者によると、男は同市内に住む男(51)とみられ、男が所持していた身分証をもとに身元の確認を神奈川県警が進めるとともに、通り魔事件とみて殺人、殺人未遂容疑で捜査しているということです。
また、事件の経緯について、男は登戸第一公園付近のンビニエンスストア前で複数の大人を包丁で刺し、そのままカリタス小学校専用スクールバスに駆け寄り、バスに乗ろうとしていた小学生たちを次々と刺していったそうです。さらに、刺された小学生はすべて女子だったことが判明しています。
この痛ましいニュースを受けてネット上では、「ただバスを待っていただけで、この被害とは、、我が子を守るためにどうしたらいいのか分からない。」「亡くなられたご遺族の方はもちろん、怪我を負った方やご家族への取材はやめてほしい。悪いのは犯人だけ。ただそれだけ。他は誰も悪くないんだから。そっとしておいてあげてほしい」「連日子供が犠牲になる事件事故ばかり。本当に胸が痛む…。」「頭おかしいヤツ対策で通学の安全をどうやって見直せばいいんだ…。」などの被害者を想う不安の声と悲しみの声が寄せられています。