5月27日午前に行われた天皇、皇后両陛下とトランプ米大統領夫妻のご会見。
宮内庁の秋元義孝式部官長によると、ご懇談時間は15分余りで、主に上皇さまの譲位と今回の即位、26日の大統領の相撲観戦と日米の交流などが話題に上り、リラックスした雰囲気で和やかに会話していたことが分かりました。
大統領が「陛下のご即位後、最初の国賓としてお招きいただいたことを光栄に思います」とあいさつをし、陛下は「私の即位後の最初の国賓として大統領をお迎えできることをうれしく思います」と応じられたことが分かりました。
大統領は「譲位について200年以上、行われていないと聞いていますが」と質問し、「最後の譲位以降、譲位は200年以上行われてきませんでしたが、歴史を振り返れば、それが普通のこととされていた時代もありました」と説明されたことが分かりました。
また、「昨日は相撲をご覧になられましたが、いかがでしたか」と陛下が話題を振られ、大統領は「相撲は長い伝統があり、また大変力強く、素晴らしいものでした。今回は大統領杯を優勝力士に渡すことができ、大変良かったと思います」と話したという。陛下も相撲をご覧になるかとの質問には、陛下が「それほどしばしば機会があるわけではありません。また、大統領が昨日ご覧になったほど、近くでは見ません」と返されたことが分かりました。
会見では、贈り物の「御贈進品」の交換も行われ、両陛下は大統領に濃い青色の円すい形の飾り鉢を、メラニア夫人へは金細工を施した飾り箱を贈られたことが分かりました。
大統領夫妻からは、陛下が趣味で演奏されるビオラ、皇后さまにはハーバード大で伐採した木で作られたペンが渡され、皇后さまが「陛下、今夜お弾きになられたら」と話すと、陛下は笑顔をみせられていたことが分かりました。
トランプ大統領の普段の言動から考え、両陛下や皇族に対して失礼な振る舞いを心配する声が一部では上がっていたが、トランプ大統領は「お会いできて大変光栄です」と述べ、陛下は「お気持ちをうれしく思います」と、懇談は和やかに行われていました。また、陛下は大統領に「両国はかつて戦争をした歴史がありますが、その後の友好関係、米国の支援で、今日の日本があると思います」と感謝を表明されていました。
皇后さまとメラニア夫人との間では、子供の教育や、夫人が取り組んでいる青少年育成活動に関することなどの話題が上り、皇后さまは通訳を介さず会話されたとのことでした。
懇談後、両陛下は御所の車寄せまで見送ったが、「メラニアは皇后さまを大変尊敬しています」とトランプ大統領が語っていました。
宮内庁関係者によると、「大統領は日本の皇室の歴史や、天皇陛下の日本における位置付けをしっかりと認識し、敬意を払って対応された」とのことでした。
皇室には、「誰に対しても差別せず平等に、最高のもてなしで接遇する」という、どこの元首の館にもない原則が徹底されています。
宮中晩餐会には、フランス料理にフランスワインと決まっています。ワインは常に最高級品が出され、これはアメリカであろうと、アフリカの小国に対してであろうと変わることはありません。
残念ながら、トランプ大統領はアルコールは嗜まないからワインに興味はないだろう。
しかし、米ホワイトハウスも、英バッキンガム宮殿も、はたまた仏大統領官邸のエリゼ宮でも、それぞれ自国との関係性により、待遇に差をつけるのは普通のことです。
自国にとって、大事な国であれば高級なワインを出すし、さほど重要でない国であれば、そこそこのワインで済ましています。
政治の世界では、このような差をつけることは当たり前に行われている中、皇室はこうした政治性から一線を画しているのです。
皇室外交に関しては、天皇、皇后の人間力に負っています。
両陛下の振る舞いやお言葉が訪問国の人々の間で日本のよきイメージを浸透させることで、国と国との友好的な雰囲気を醸成することになるのでしょう。
「天皇は外国元首と面会された」「皇居・宮殿で晩餐会が開かれた」と断片しか伝えられないメディアだが、長い伝統文化を背景にした皇室外交には、人間味溢れる心の交流であり、彩り豊かな人間模様が広がっているのが事実です。
また、そういったものが、国と国の関係を動かしているのも事実なのであるでしょう。
【写真引用:朝日新聞デジタル】
ネットでは…
「日本国の象徴。まさにこのようにありたいと国民に思わせる。素晴らしいです。」
「皇后さまのイキイキとされた様子を見るのは初めてです。今後もご活躍が楽しみです。」
「こういう雅子さまの笑顔はいつ以来かな。なんだか見ている方も嬉しくなってくるね。」
「雅子皇后様がやはり輝くのはこのような外交の場だなぁって中継見てて感じました。籠の鳥から羽ばたき、笑顔と自信を取り戻して頂きたい と心よりお祈りします。」
「トランプもいいプレゼント考えたな」
「令和の新しい時代にお二人ともが英語で会話される、新しい時代がきたなーと感動しました。これからも雅子さまの笑顔がたくさん見れるといいですね。」