最近、ネット上で話題となっている「私は悪くない症候群」を皆さんはご存知ですか??自分の非を認めずに正当防衛を主張する人たちのことを指しますが、以前立て続けに起きた“あおり運転”の加害者の多くがこのような供述をしていました。
あおり運転による悲惨な事件が社会問題となっている昨今、衝撃的だったのはその危険性だけでなく、あおった側の多くが「自分は悪くない、悪いのはあおられる原因をつくった側だ」と主張していたことです。こうした主張は、本当にそう思い込んで危険な“あおり運転”を行っているのです。そこで、心理カウンセラーの宮本章太郎氏は「実生活においてもこのような人は増えているように感じます。非を認めず責任転嫁に走るため、より大きな、不必要なトラブルに発展するケースも」と最近急増している「私は悪くない症候群」の人達に対して危機感を抱いています。point 317 | 1
そこで、日常にも紛れている“彼ら”に翻弄されている人達に話を聞いてみました。会社員Aさんは、PTAのメンバーに困っているそうです。「先日も会合に遅刻してきた彼女に、『遅れるなら連絡くれればよかったのに』と言ったとたん、『連絡したところで早く来られるわけじゃないでしょう? 仕事でトラブルがあってそれどころじゃなかったんです。それでも急いで来たのに、ひどい言い草!』と、ものすごいけんまくでまくしたてられました。」と逆切れされてしまったといいます。point 284 | 1
さらに、会合の日程についても難癖をつけられたそうで、Aさんは「自分も合意したはずなのに、今さらなんなのでしょう。」と呆れていました。しかし、「私は悪くない症候群」の人はこれだけでは終わりません。メンバー内で分担した作業も彼女だけがやってこず、謝罪の言葉もなく言い訳を始めたんだとか。「『だって私、こういうPC作業苦手なんです。できないと言おうとしたのに、言えない雰囲気だったから。最初から事務職のAさんがやると言ってくれればすむ話なのに。ひどくないですか?』と……。もうあきれて脱力してしまいました。」point 310 | 1
このように、犯罪になっていなくても周りに迷惑をかけながら、自身は全く悪びれていない様子で生活している人が急増しているといいます。既婚者Bさんは、強気な開き直りをする同僚や突然、激高するピアノ教師に悩まされているといいます。「派遣社員のMさんは、配属されて数カ月たつというのにまったく仕事を覚えません。ミスしても『だって、ちゃんと教えてくれないから! 私が悪いんですか!?』と超強気な開き直りぶり。こっちは何度も教えたのに……。」と、責任転換をしてくる「私は悪くない症候群」のMさんに困っているそうです。point 306 | 1
さらに、Bさんの長女が通うピアノ教室の先生も同類だといいます。「先日、『娘が合唱コンクールの伴奏者に選ばれなかったので、次こそはと張り切っています。今後もよろしくお願いします』と挨拶したとたん、顔を真っ赤にして、『それ、私のせいということですか!? 私はちゃんと指導しています! 娘さんが上達しないのは、ろくに練習もせず、お母さんも家でちゃんと見てあげていないからですよね? イヤならやめてもいいんですよ?』と激高されました。」と、Bさんはまさかの返しに戸惑ってしまったそうです。point 295 | 1
こうした症候群を持つ人達にどのように対応するべきなのか。宮本氏によると、具体的な行動(やめろ、○○しろ)を求めたり、責め立てたりする言葉は、相手をヒートアップさせてしまうことになるといいます。「売り言葉に買い言葉の事態を避けるためにも、不本意かもしれませんが極力感情を加えず、今起こっていることを淡々と伝えるようにしましょう。相手に“自分は攻撃された”と思わせない言葉選びが大切です」トラブルを避けるためには、関わる側の努力も必要不可欠のようです。point 285 | 1
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