近年 チケット価格の低価格化に伴い、ますます航空利用旅行は大衆化したとも言えますよね?
飛行機事故が起きる確率は 約10万分の1であり、交通事故に比べたら圧倒的に少ないので 他の移動手段より安全なものとも言えます。
しかし、一度事故が起きた場合には 大型事故になってしまう可能性が高いため 常に 緊張感がつきまとうものでもあります。
航空旅行が本格的に始まった1970年代以降、最も残酷で多くの被害者を出した航空惨事は 何であったのでしょうか?
5位 ニューデリー空中衝突事故 (349名)
発生日:1977年3月27日
原因:空中衝突
被害者:349名(生存者なし)
1996年11月12日、インドのニューデリーの上空で ボーイング747機とIL-76機が空中衝突し、計349人が死亡した事件です。空中衝突による航空事故の中では 最も多くの死者が発生した事件でもあります。
事故は 着陸の準備中だったカザフスタンの航空のパイロットが指定された高度より低く飛行する過程で デリー空港からちょうど離陸したサウジアラビアの航空の飛行機と衝突したために起きました。
この衝突により2機の航空機の乗客全員が死亡しており、両便とも空中衝突防止装置(TCAS)を装備していなかったことが問題視されました。この事故を契機に、インドの航空当局は インド領空を出入りするすべての航空機に ついて空中衝突防止装置(TCAS)を義務付けています。
4位 日本航空123便墜落事故 (520名)
発生日:1985年8月12日
原因:修理不備による後部圧力隔壁の破壊 他
被害者:520名(生存者 4名)
1985年(昭和60年)8月12日月曜日18時56分に、東京(羽田)発大阪(伊丹)行同社定期123便ボーイング747SR-100(ジャンボジェット、機体記号JA8119、製造番号20783)が、群馬県多野郡上野村の高天原山の尾根に墜落した航空事故。
事故機の後部圧力隔壁が損壊し、その損壊部分から客室内の空気が機体後部に流出したことによって、機体尾部と垂直尾翼の破壊が起こり、さらに 4系統ある油圧パイプがすべて破壊されたことで作動油が流出し、操縦機能の喪失が起こりました。圧力隔壁の損壊は、隔壁の接続部の金属疲労によって発生した亀裂により、隔壁の強度が低下し、飛行中の与圧に耐えられなくなったために生じたと推定されれています。
乗員乗客524名のうち死亡者数は520名、生存者(負傷者)は4名でした。死者数は日本国内で発生した航空機事故では 最多であり、墜落事故および単独機の航空事故でも世界最多。事故直後 ゴールデンタイムを逃し犠牲者が多かったこと、搭乗していた著名人も多かったことなどでも 社会的影響が大きかった事故と言えます。
3位 テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故 (583名)
発生日:1977年3月27日
原因:滑走路への誤進入、パイロットミス 他
被害者:583名(生存者 61名)
1977年3月27日17時6分(現地時間)、スペイン領カナリア諸島のテネリフェ島にあるテネリフェ空港の滑走路上で2機のボーイング747型機同士が衝突し、乗客乗員のうち合わせて583人が死亡した事故の通称。生存者は乗客54人と乗員7人でした。死者数においては史上最悪の航空事故であると言われています。
この事故は、管制と航空機間の通信の問題と航空機のパイロットが状況を早合点したこと、一般的な用語未使用などの複合的な原因が重なって発生したことが明らかになりました。
管制塔からの送信音声のバックグラウンドノイズには、サッカーの実況中継と思われる音声が混じっていたことにより スペインの管制官が管制塔内で勤務中にテレビまたはラジオのサッカー中継番組を視聴していたとも考えられ、試合状況に気を取られて管制がおろそかになった可能性があるとも言われました。以降のパイロットと管制塔の間の交信原則と安全上の注意などが大幅に強化されました。
2位 ユナイテッド航空175便テロ事件(965名)
発生日:2001年9月11日
原因:テロ組織によるハイジャックによる建物への衝突
被害者:965名
2001年9月11日にアメリカで起きたアメリカ同時多発テロ事件で、ハイジャックされたユナイテッド航空175便がニューヨークのワールドトレードセンター南棟の81階部分に突入し、爆発炎上した事件。
UA175便は離陸後、アルカイダのメンバーとされるテロリスト5人によってハイジャックされ、犯人らの意図的な操縦によりワールドトレードセンター南棟に突入、大破炎上しました。衝突から約1時間後、ワールドトレードセンター南棟は崩壊。死者数はUA175便と南棟だけで約700人以上となりました。
ハイジャックされた直後、乗客2人が家族や知人に、また客室乗務員1人がユナイテッド航空のオフィスと携帯電話で連絡を取っていました。会話の内容は明確ではないが客室乗務員1人がナイフで刺され重体(「死亡」と言ったともされている)になったということです。
またパイロットではなくハイジャック犯が操縦しているとしか思えないような、酷い操縦だったそうです。
1位 アメリカン航空11便テロ事件(1692名)
発生日:2001年9月11日
原因:テロ組織によるハイジャックによる建物への衝突
被害者:1692名
2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロで実行された一連のハイジャックの1つであり、アメリカン航空11便がニューヨークのワールドトレードセンターのノースタワー(1号棟)に突入した事件。 被害に遭った旅客機は、アメリカン航空のボーイング767-223ER(機体記号N334AA)で、事件当時はアメリカン航空11便として運航されていました。同便は、ボストンのローガン国際空港からロサンゼルス国際空港へ向かうアメリカ国内線の定期旅客便でした。
この日同じ頃、AA11便、UA175便の他にも2機の旅客機が次々とハイジャックされ、全てビルに衝突したか墜落しました。一連のテロ攻撃はアメリカ同時多発テロ事件と呼ばれることとなります。
事件から3日後、アメリカ連邦捜査局 (FBI) は、AA11便を含むハイジャック実行犯を容疑者19名の氏名を特定し発表。容疑者の国籍は、サウジアラビアが15人、アラブ首長国連邦が2人、レバノンとエジプトが各1人でした。このうち7人がアメリカの民間飛行学校で飛行機の操縦を学び、小型機の操縦免許を取得していたそうです。犯人たちは数年かけて事件の準備をしていたことから、事件を阻止できなかったFBIやアメリカ中央情報局 (CIA) に批判が集まりました。
AA11便を含む2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロを後世に伝えるため、ワールドトレードセンターの跡地に国立9.11記念博物館が建設されました。
被害者と遺族のためにも 今後、このような航空惨事が起こらないことを祈りつつ より安全な技術開発へと期待したいと思います。
[著作権者VONVON /無断コピー、無断転載および再配布禁止(違反時の法的措置)]