”次は愛子さまを天皇に” 以前、令和のはじまりと新天皇の即位をきっかけに、天皇、皇后両陛下の長女愛子さまへの皇位継承を望む声が高まっていますが、しかし今の皇室の制度では、女性が天皇になることは認められていません。”日本の象徴”を女性がつとめることができないのは何故なのでしょうか？
まず、愛子さまが天皇になるには、法改正が必要です。というのも、皇位継承の決まりごとが書かれた法律「皇室典範」は、天皇になれるのは「男系男子」だけだと定めており、男系男子とは父親、父方のおじいさん、父方のひいおじいさん……と男性だけで系図をさかのぼると、どこかで天皇にたどりつく皇族の男性を指しています。point 211 | 1
しかし、実はかつては女性が天皇に即位していた時代もあり、歴代126代の天皇のうち、複数回即位した人を含む10代8人が女性天皇になりました。しかし、軍のトップの大元帥が天皇になった明治時代以降から、軍隊に入れない女性が天皇になることができなくなりました。これに対し、”男性優位”なのではという批判の声も多くあがっています。point 232 | 1
しかし、このように女性天皇の誕生を望む人たちがいる一方で、女性への皇位継承を認めるべきではないと訴える人たちもます。日本大の百地章名誉教授は「これまでに8人の女性天皇がいたのは事実です。でも、皇位を継げる『男系男子』が見つからなかったときに、一時的、例外的に天皇になった人ばかり。悠仁さまがいらっしゃる以上、無理に女性天皇を認める必要はないんです」と語っています。point 242 | 1
また、女性天皇と民間の男性が結婚し、2人の間に生まれた子供が次の天皇になれば、その子が男でも女でも「女系天皇」になってしまいます。百地氏は、「たとえば、女性天皇が民間人の『鈴木さん』と結婚したとします。2人の間にお子さんが生まれたら、その子供は『鈴木さん』の家系に属する方だと見られてしまう。そして、その人が天皇になったら、今とは違う『皇室』になり、正統性が失われてしまいます」とつづけています。point 254 | 1
また、女性天皇は即位しても、これまでの皇室の歴史で、女性天皇の子供である「女系男子」や「女系女子」が即位した例はありません。「男系男子」による皇位継承を原則としてきた理由について、麗沢大教授は「歴代天皇の子孫はたくさんいますが、男系に限ると『一本の細い糸』のように限られてくる。すると『皇位を継ぐのは自分だ』『いや、私だ』と言い出す人は必然的に減り、争いも起きにくくなる。男系継承は、国を安定させるための知恵だったのではないでしょうか」と話しています。point 281 | 1
これに対して、女性天皇に消極的な立場からは「男系でつながってきた天皇がいたからこそ、今の日本がある。伝統を守らなかったとき、日本がどんな社会になるのか分からないんです。『男系男子』で皇位を受け継ぐ方法があるなら、続けた方がいい」という声もあがっており、女性天皇が即位出来ない理由はただ単に”男性優位”ということではないようです。point 218 | 1
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