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犠牲者数は日本で過去最悪…中華航空140便墜落事故とは?


1994年4月26日20時16分頃に名古屋空港(今の名古屋飛行場)に着陸しようとしていた台湾の中華航空140便が滑走路の手前で墜落・炎上し、乗員乗客271名中264名が犠牲になるという大惨事が発生しました。この事故は日本の空港で発生した航空機事故としては過去最悪で、1985年に起こった日航機墜落事故に次ぐ大惨事となってしまいました。事故調査委員会により中華航空140便墜落事故の原因について調査が行われましたが、従来の航空機事故とは全く異なる特異な事故であったことがわかりました。さらにこの墜落事故では事故原因とは別の問題も明らかになりました。

写真:10rank.blog.fc2.com

◼︎中華航空140便墜落事故の原因とは

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写真:mapio.net

事故当時は台北発名古屋行きの中華航空140便(A300-600R型機)はほぼ予定通りに名古屋空港に着陸するために高度を下げて滑走路に向かって正常に進入していました。事故調査委員会の報告によれば機体の状態やパイロットには何の問題もなく、空港周辺の天気や視界も良好で着陸に支障となるような原因は存在しませんでした。ところが副操縦士の体の一部が自動操縦のレバーに触れてスイッチが切り替わり、それまでの「着陸モード」から「着陸やり直しモード」に入ってしまいました。このため飛行機のコンピュータは飛行を継続しようとして機体の高度を維持するための操作しましたが、これに気付かなかった操縦士は高度を下げようとして操縦かんを操作しました。飛行機のコンピュータと操縦士がお互いに背反する操作をしたために機体が異常な上向き姿勢となってしまい、パイロットは機体の姿勢を立て直すことができずに飛行機は失速して墜落・炎上しました。中華航空140便墜落事故は飛行機のコンピュータと操縦士の意志が相反することで起こってしまった事故でした。この墜落事故では飛行機のコンピュータの方がパイロットの操作よりも優先されることが原因であったことが考えられています。事故後に機体の設計・製造を行うエアバス社は飛行機の自動操縦装置のコンピュータよりもパイロットの意志を優先するようにするように機体の設計を変更しました。point 599 | 1

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写真:zh.wikipedia.org

◼︎中華航空140便墜落事故で明らかになった別の問題点とは

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写真:blogs.yahoo.co.jp

中華航空140便墜落事故では飛行機に搭載されているコンピュータと操縦士との関わり合いについてが問題となりましたが、事故原因とは別の問題も明らかになりました。墜落事故を起こした中華航空は犠牲となった乗客の遺族から損害賠償を請求されました。遺族は犠牲者1人あたり1億円の損害賠償を求めましたが、中華航空機側は航空機事故の損害賠償を定めるへーグ改正ワルソー条約の22条で規定されている「責任制限条項の適用」に基づいて犠牲者1人あたり25万フラン(約240万円)の支払いにしか応じようとしませんでした。遺族は中華航空に対して損害賠償を求める民事訴訟を起こし、裁判ではワルソー条約を認めずに中華航空機側に合計50億円余りの支払いが命じられました。航空機事故の際に適用される損害賠償額については上限金額が低いワルソー条約と高額の損害賠償が認められるモントリオール条約の締結国で大きく異なっています。この当時の台湾はモントリオール条約の加盟国ではなかったので、中華航空140便墜落事故では上限金額が低いワルソー条約の基準で損害賠償額が算定されていました。結果的に中華航空140便事故では裁判でワルソー条約の条項が認められませんでしたが、今でも航空機事故の際に支払われる損害賠償額の基準が低いワルソー条約にしか加盟していない国が存在するため、海外旅行をする時に注意をする必要があります。point 605 | 1

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写真:hasicimosnov.cz

◼︎まとめ

中華航空140便墜落事故では機体を制御するコンピュータと操縦士(人間)との関係と、事故の際の損害賠償の基準に関して大きな問題があることが明らかになりました。この事故によりエアバス社は機体のコンピュータよりも操縦士の方を優先するように設計を変更しました。ところが今でも航空機事故の損害賠償額を定めるワルソー条約とモントリオール条約の加盟国が存在するため、今後も事故が発生した際の損害賠償の金額について遺族と航空会社の間で同じような問題が生じる可能性があります。point 302 | 1

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