サブカルチャーを略した「サブカル」というキーワード。あちらこちらで耳にするし、雑誌でも目にするし、政治家の人まで「日本のサブカルをなんたらかんたら」と話してるし、友達との会話でもなんとなく知ったような素振りで過ごしてきたけれど、実はよく知らないんです!そんな方の為に、サブカルをひも解いてみましょう。
サブカルチャーのはじまり
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サブカルチャーとは英語で表記すると「subculture」で、ある社会におけるメインとなる支配的文化に対して一部の人々によって支持される独特な文化のことです。若者文化や都市文化などと呼ばれる一部で通用するようなものが該当します。
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最近の言葉のように感じる方も多いとは思いますが、用語自体は実は1950年にアメリカの社会学者のディヴィッド・リースマンという人が『孤独な群衆』という著作の中で使った言葉で、実は随分と前から使われているのです。
日本ではハイカルチャーに対してのサブカルチャーという位置づけで、第二次大戦後、教養ある文化に対して映画や漫画などの大衆文化が盛り上がりをみせると同時にサブカルチャーが誕生・発展しはじめたと考えられています。実際に庶民の間でサブカルチャーの言葉が頻繁に使われるようになったのは1980年代で、既存の体制や価値観に相対することを好んだ若い世代の間で80年代サブカルチャーブームという流行が生まれました。
日本でのサブカルの変化
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前段で、日本でもサブカルは80年代に最初の流行があった事を書きましたが、今と昔のサブカルの意味や内容は少しずつ変化しています。かつてはブルジョアに対抗しての大衆文化で大衆受けする映画や漫画がサブカルに該当しました。60年代には反体制の価値観を含み、そして学生運動が過ぎ去った80年代では伝統に対抗しての若者向けが中心で、SFやオカルト、ディスコ、クラブミュージック、ストリートファッション、アングラなどがサブカルと見なされてきました。この頃はマイナーな趣味のものがサブカルとされていたようです。90年代には「おたく文化」というジャンルが誕生したことにより、急速に勢力を拡大しました。この頃から「サブカル」といえば「おたく文化」というイメージが一部で強まってしまいました。
今のジャパニーズサブカル
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最近ではサブカル男子・サブカル女子という言葉も誕生しています。あわせてサブカル系とも呼ぶそうです。サブカルとは一部で支持されるものですから、サブカル男子は皆と同じ服装を嫌います。服や髪型で個性を表現するのだそうです。サブカル女子も同様に独特の見た目で個性を表現することを好みます。好まれる髪型はいくつかありますが、男女ともに共通しているものにはマッシュスタイル、きのこ頭があるそうですよ。そういえば芸能人の方にもいらっしゃいますね。
おたく文化もサブカルをけん引するジャンルであることは間違いありませんが、現在の「おたく」はその内容が漫画やアニメに限定されず、あらゆるジャンルにおいて極端に傾倒していることを定義とする見方もあります。ただし、一部では「サブカル」と「おたく」は別物だ!と線引きをしたいサブカル愛好者の方もいらっしゃるようです。
まとめ
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時代によってサブカルの意味は違っていましたが、根底には支配的文化である主流に対しての独自路線を貫くサブカルの姿が垣間見えました。グループが大きくなってしまうとそれもまた主流になってしまうのかもしれませんが、マニアックな研究に没頭し、豊富な知識を身に付ける事はなかなか出来る事ではありません。何かひとつ好きなサブカルを見つけるのも楽しいかもしれませんね。