毎年、クリスマスになればケンタッキーの売り上げが最も上がるとされています。日本ではチキン=クリスマスに食べる代表的な料理という認識があるためだと思いますが、日本では毎年約360万の家庭がクリスマスにケンタッキーを食べるといわれています。クリスマスに合わせてケンタッキーにあらかじめ注文予約をする方も多いですよね。ここで気になるのは、なぜ日本人はクリスマスになるとケンタッキーのチキンを食べるのでしょうか?
日本人がクリスマスにケンタッキーを食べる本当の理由
海外ではケンタッキーの他にもチキン専門店が一般的に多いため、クリスマスにわざわざケンタッキーを食べる家庭は日本よりは少ないでしょう。日本人がクリスマスにケンタッキーを食べる理由に、日本でチキン専門店が少ないからというだけではなく、その他様々な憶測もあるようですが、最も有力な説は、1970年に日本で初めて開店したケンタッキー・フライド・チキン1号店の店長が始まりとされています。
1970年、日本でケンタッキー・フライド・チキンがオープンした当初、営業が相当苦しかったそうです。当時、日本人にとってケンタッキー自体が馴染みが無かったためだと思われます。その赤と白のストライプ模様の店舗を見て、それがチキン専門店だと気づいた人はそういなかったでしょう。
そんな中、店舗の近所に位置していた幼稚園でクリスマスパーティーをするとのことで、ケンタッキーに注文が入ります。この幼稚園は当時、日本ではあまり馴染みの無かったキリスト教の幼稚園でした。この幼稚園はチキンのみを注文したわけではなく、店長にサンタの格好をして来てほしい、とお願いをしたのです。店長はそれに応え、サンタの変装で子どもたちにチキンを届けたといいます。
この日のパーティーは大成功。その後、ケンタッキーにまつわる噂が流れ始め、他の幼稚園でもチキンを注文するようになります。店長は店舗の前のカーネル・サンダースの人形にもサンタの服を着せ「アメリカではクリスマスにチキンを食べる」と嘘をついたのです。当時、その嘘を信じていた日本人が多かったため、テレビのインタビューにも出演するなど、その反響は多かったのです。結果的に、店長のそのような嘘により、日本ではクリスマスになると、毎年ケンタッキーの売り上げが上がるようになりました。こうして日本のケンタッキーの伝統が生まれたわけです。それが現在も続いているので、実に奥深いですね。
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