昭和30年代、街のあちこちに駄菓子屋さんがありました。10円を握りしめて通った人も多いのではないでしょうか。
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昔の駄菓子屋さんは?
その頃の駄菓子屋さんは1円単位で、10円あれば満足できるものが買えました。
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ポンセン、フーセンガム、ゼリー、当てものなど、こじんまりとしたお店に多くの駄菓子が並んでいました。
中でも当てものと呼ばれるものは人気が高く、5円でくじを引くことができ、結構当たる確率も高かったようです。
1等を引くとガムのセットが当たり、それ欲しさに毎日挑戦する子も少なくなかったです。
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色々なお菓子が四角い缶に入っていて、「おばちゃん!5円で!」と言うと、計量カップのような物で一杯すくってくれるのです。缶に入っているのは、湿気対策だったのでしょう。
残りの5円で、当て物をしたり、めんこや水風船などを買うというのが定番の買い方です。
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今の時代は衛生面が厳しいですが、その時代は、お店の人が取り分けてくれる駄菓子も人気があって、新聞紙にくるまれているのも当たり前で、何の抵抗もなかったのが不思議です。
年配の人達が懐かしむ駄菓子の中で取り上げられるものに、ココア味のシガレットというのがあります。
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箱の感じもたばこに似せた作りで、それを買った子は皆、大人がするようにたばこを吹かす真似をしたものです。
喫煙者が肩身の狭い現代と違って、たばこを吹かす男性が恰好良いとされていたからでしょう。
今の駄菓子屋さんは?
今の駄菓子は洗練されたと言っても大げさではない位、一つ一つ綺麗に包装されています。
それが何か情緒がないと捉えるのは、年配者だけでしょうか。
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せせこましいお店の中で、お気に入りの駄菓子を探すのが楽しみだった世代には、スーパーやコンビニに並ぶ駄菓子は、何故か味気ない物に見えてきます。昭和レトロブームで、昔の着物やアンティーク家具が注目されているのは、その物自体の価値が見直されてきたということでしょう。
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駄菓子の世界でも生き残っているお菓子は、やはり年配者だけでなく若者に支持される要素を持っているからだと思われます。世代を超えて、愛される駄菓子があるというのは素晴らしいことです。
美味しい物が溢れている時代でも、駄菓子にニーズがあるのは、惹きつけられる魅力があるからでしょう。
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お店は綺麗で清潔が基本でしょうが、ちょっと埃を被っていたり、無造作に積み上げられているおもちゃなどがあったりと、そんな昔の駄菓子屋さんに、タイムスリップして行ってみたいと思う人がいるのも確かです。