大阪府 堺市教育委員会は12月25日、廃棄予定だったパンなど学校給食の残食総額約31万円分を自宅に持ち帰っていた60代の市立高校教諭を減給3カ月の懲戒処分としたと発表しました。
教諭は同日付で依願退職したとのことです。
市教委によると、教諭は平成27年6月ごろから今年6月にかけ、廃棄予定だった給食の残食(パン 約1000個、牛乳 約4200本)を自宅に持ち帰っていたことが明らかになりました。
用務員の男性に自分のカバンやあらかじめ用意した発泡スチロールの箱に詰めるよう指示していたということです。
この事実は、今年6月に市教育委員会に告発文書が届き発覚。
市教育委員会の調査で教諭は、「廃棄するのがもったいないと思った」「用務員が廃棄する手間を少なくしようと思った」と動機を認めております。
男性は、廃棄処分を担当する業者に依頼し、1回あたりパン5~6個、牛乳10本程度を用意した箱やかばんに入れて持ち帰り家族で飲食したとのことです。
教諭は11月、持ち帰ったパンと牛乳の実費分約31万円を堺市に弁済しています。
このニュースを見た、ネットユーザー達からは
「廃棄物ならいいじゃん。まあ、厳密にいえば横領になるんだろうけどさ。学校側が、いるなら自由に持って帰って良いって事にすれば良かっただけだ。」
「どう言う意味で、いただきますやご馳走さまって手を合わせるのか、生徒にしっかりと教えてあげた方がいいって思います。そうしたらこの先生のした行動の意味がわかると思います。」
「無駄をなくさないと、もったいないよ。学校で食べてたら問題ないはずですよね。余ったら学校が責任を持って欲しいものです。一部税金で給食も成り立ってたのではないでしょうか?」
などと、問題となった教諭を援護するコメントが沢山寄せられています。
過去にも、兵庫県教育委員会が、残された給食を持ち帰った特別支援学校の女性教諭を停職1ヶ月にしたことが判明し、物議を醸したことがありました。
この女性は約3カ月間に渡り、生徒が残した牛乳やパンをバッグに入れ、自宅に持ち帰り自身の子に与えていました。動機は「給食は安全なので病弱な子供に食べさせたかった」からだそう。
この女性の場合、持ち帰ることを念頭に「生徒に飲む練習をさせる」との名目で、余計に牛乳を発注していたために賛否両論ありましたが、今回のこの男性の一件は、純粋に余った給食の残りを持ち帰っただけです。
市教育委員会も、告発文書が届いたために教諭の処罰に至ったのでしょうが、本来、教育現場では“食育”をしなければなりません。日本の“勿体ない”精神を子供たちにも教えるため、市教育委員会の処罰の線引き基準も見直すべきです。