「赤毛のアン」はカナダの作家L・M・モンゴメリが1908年に発表した長編小説です。「赤毛のアン」が発売されてから、100年以上が経過していますが、今なお名作として、多くのファンがいるとともに、映像化や舞台化なども繰り返されている物語です。
あらすじは、アヴォンリーという町に住むマシュウとマリラという2人の年老いた兄妹が、農業や家の手伝いに男の子を養子に取ろうとするとことから始まります。しかし、仲介人の手違いで、孤児院からやってきたのは11歳の痩せたおしゃべりな女の子、アンでした。
最初は孤児院に送り返そうとするマリラですが、アンのあまりの落胆ぶりに同情し、しばらく一緒に暮らすことになります。そのうち、アンの想像力や純粋さに魅了され、マシュウとマリラは家族としてアンを受け入れていくのです。
写真:amazon.com
勉強はできますが、癇癪もちでお転婆なアンは、やっとできた親友のダイアナに間違って葡萄酒を飲ませて酔っぱらわせてしまったり、自分の赤毛のことを「ニンジン」とからかってきたクラスメイトのギルバートを石板で叩いて学校を休学になったりしてしまいます。マシュウとマニラは、それらのトラブルにも「孤児だから」と後ろ指さされるアンを守ろうとし、その姿を見たアンもまた、2人と信頼関係を築く中で、癇癪もちの性格を少しずつ直していきます。
写真:ameba.jp
その後、ダイアナの母親から絶交を言い渡されていたアンですが、ダイアナの妹が熱を出して瀕死の時に必死に看病したことがきっかけで、ダイアナの家族との仲もよくなり、再び学校に通うようになった後は、ギルバートをライバルとして、一生懸命勉強し雪駄琢磨する中に。さらに、友達とごっご遊びをしている途中、穴の開いた小舟に乗って流されてしまい絶望している最中にギルバートが助けてくれたことにより、2人はお互いに好意を持ち、意識するようになります。
写真:shop.r10s.jp
美しい街の中で、健やかに賢く成長したアンは、名門校に入るための奨学金を獲得することになりますが、その矢先にアンを可愛がっていつも見守ってくれていたマシュウが、お金を預けていた銀行が倒産したショックでなんと死んでしまいます。さらに、マリラも失明の危機に陥り、悩んだアンは奨学金は辞退し、アヴァンリーで教師になる道を選ぶのでした。
写真:tripadvisor.jp
この「赤毛のアン」は、作者のモンゴメリーが新聞記事で「男の子を希望した家に女の子が来て、そのまま引き取る」という話が載っていたことから着想を得て考えられた物語だそうです。舞台はモンゴメリが住んでいたカナダのプリンスエドワード島で、実際のアンの家のモデルになった場所なども実在しているため、現在もファンが訪れるなど、名所になっています。
写真:canada.jp
発売当初から大好評を巻き起こし、その後続編として「アンの青春」など複数のアンシリーズが執筆されています。こちらもギルバートとのその後が書かれており、おすすめの作品です。