プール熱
アデノウイルスという言葉を聞いたことがありますか?
子どもがかかりやすいもので、プール熱として知られています。
感染力が強く、プール熱と呼ばれていますが、夏以外にも四季を通して感染する可能性があります。
風邪のような軽い症状で済む場合もあれば、症状が悪化する場合もあります。
特に目に感染すると結膜炎になってしまいます。
今回はアデノウイルスによる結膜炎について解説していきます。
アデノウイルスとは?
アデノウイルスは風邪ウイルスの1つです。
アデノウイルスはA~Fまでの6群に分けられ、51の血清型が確認されています。
つまりひと口にアデノウイルスといっても、タイプが多いということです。
そのため、免疫が付きにくいのが難点です。
さらに一度感染すると何度も発症する厄介なウイルスです。
アデノウイルスの症状
発症する症状は、結膜炎、胃腸炎、出血性膀胱炎、上気道炎、気管支炎、扁桃炎、肺炎、嘔吐下痢症などです。
プール熱と呼ばれるものは、咽頭結膜熱といいます。
これらの症状は3~5日くらいで治り、あまり長引きません。
ただし、ウイルスはその後も体内にとどまり、便の中に約30日もの間、排出されるそうです。
つまり治った後にも、周りにうつす可能性があるということです。
症状がなくてもウイルスは持っているということを覚えておきましょう。
アデノウイルスの感染経路
アデノウイルスは人にうつります。
人から人に感染するウイルスです。
さらに感染力も強いことで知られています。
咳や鼻水が飛沫し感染する場合や、結膜からウイルスが入り込むケースなどがあります。
先ほども話したように便中にウイルスが含まれていることもあります。
集団生活をする幼稚園や小学校などで、感染が広がりやすくなります。
アデノウイルスの潜伏期間
潜伏期間は約5~7日です。
つまり感染してから症状が出るまでに、数日かかります。
幼稚園などの集団施設で流行っている場合には、物の共有などは避けましょう。
アデノウイルス結膜炎の症状
他の結膜炎に比べて、症状が重くなりがちなのが、アデノウイルス結膜炎です。
めやに、充血、腫れ、痛みが起き、涙が出たり眩しいなどの症状がでることもあるようです。
その他にも、熱や咳など風邪のような症状が併発します。
アデノウイルス結膜炎の後遺症
アデノウイルス結膜炎では、視力障害が発生することがあります。
角膜に混濁が起こることで、視力に影響を与えます。
アデノウイルス結膜炎を重症化させないためには、病院で診断を受け、正しい適切な治療を受けるようにしましょう。
アデノウイルス結膜炎の治療
アデノウイルスに対する安全で有効な点眼薬はありません。
主に副腎皮質ステロイド薬点眼が使われます。
結膜の炎症を抑制する働きがある一方で、症状が強く出やすいという報告もあります。
医師や薬剤師の指示に従って使用し、供用することがないようにしましょう。
アデノウイルス結膜炎まとめ
アデノウイルスは大人でも子どもでも感染します。
人から人にうつるので、集団生活をしている幼稚園や小学校の子どもがかかりやすいです。
症状が軽い場合は発熱や咳などの風邪のような症状で済みます。
しかし重症化することもあり、特に結膜炎にかかることがあります。
結膜炎も軽く済む場合もありますが、悪化すると視力障害も引き起こします。
朝起きた時に目が開かないほど、目やにが溜まっている場合には、結膜炎を疑いましょう。
そしてすぐに病院に行き、適切な治療を受ける必要があります。
またアデノウイルスは症状が治まっても、30日ほどはウイルスが便中に排出されます。
周りにうつさないように注意しましょう。
人から人に感染するものなので、手洗いうがいを徹底し、物の共有を控えることで予防できます。