鈴木砂羽さんといえば、テレビ朝日の大ヒット刑事ドラマ「相棒」の、一代目相棒、寺脇康文さん演じた亀山薫の妻でジャーナリストの美和子を長年演じ、ドラマのヒットともにたくさんのファンを獲得し、人気が確固たるものになった女優ですが、実は、彼女は下積みも長く、一時期は女優と漫画家を兼業していたことでも知られています。
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そのときはペンネームは鈴木砂羽ではなくカタカナにした「スズキサワ」だったそうです。そして、その当時のマンガのタイトルが「いよぉ!!ボンちゃん」だったとのことです。ボンちゃんというのは、鈴木砂羽さん本人のことらしいです。当時から、知っているひとは知っている、カルチャーに詳しい人々の間で一部とても人気があったらしく、それを知っていた編集者から、連載復活の打診が来たとのことです。久しぶりに雑誌連載を復活するに当たって「いよぉ!!ボンちゃんZ」と、ドラゴンボール的な名前変更をしたそうです。
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彼女は、もともと、いわゆるサブカル女子で、サブカル系の友人は、男女を問わず多いことで有名です。お酒もかなりお好きなので、誰が飲み友達で、誰がサブカル友達なのか、マスコミもいまいち把握できていない感もあるほど、趣味の交録が充実している、アネゴ肌キャラのようです。ですから、彼女自身をモデルとした「ボンちゃん」マンガでは、ネタにつきることはないようで、女優としての視点からのネタも豊富なようです。鈴木砂羽さんは、Twitterのアイコンを「クリーミーマミ」にしていたり、もともとマンガファンであり、絵もけっこううまいかたです。正統派というよりは、いわゆる下手うま系ですが、愛嬌のある、絵を描くのが好きな気持ちがにじんでいる絵を描くかたです。
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しかし、実は彼女は、絵画エリートです。父親は美大の講師で画家、母親は絵画教室の先生で、知り合ったのは多摩美術大学という、しかも、おじいさんまで絵の先生という、絵のサラブレッドで、そんな家庭環境で育てられた砂羽さんは、ものごころつくかつかない頃から、絵を描くのが当たり前の人生を生きてきたそうです。ですから、下手うま系を描くひとの多くがそうですが、実はきちんとした写実的な絵画も、描けるのかもしれません。
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そういった、生まれ育ちのサラブレッドの部分と、彼女自身の、オリジナルの、ファニーでユーモラスな、親しみを持たれやすいかざらない性格があいまって、もともとの作品を高く評価していた女性編集者からのオファーがキッカケで、「いよぉ!ボンちゃんZ」は、女性向けの雑誌で、再連載が決まった経緯があったそうです。
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バラエティ番組でフリートークをする彼女を見るとわかりますが、頭の回転がはやく、面白いことがだいすきな人という感じですから、砂羽さん自身も、再連載が決まったときから、かなりやる気をもって取り組んだようです。女優としての鈴木砂羽さんは、まだ若く売れていないころ、オーディションで恥じらいもなく素っ裸になってみせたという逸話があるくらい、ある意味、ひとからの価値観の押し付けを気にしない、芸術家一家育ちらしい大胆な側面を持っています。
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彼女のことを、美人というひともいれば、そうではないというひともいますが、顔で売るタイプというよりは個性で勝負のひとなので、その人間としての鈴木砂羽の個性が好きなひとには、マンガも、とても受けがいいようです。基本的にサバサバしているかたのようなので、作風も自然とそれが反映され、読みやすく、軽いテイストの、ユルく読めるマンガになっているようです。女優が描くマンガというのは、なかなかないですから、女優だからこそ知っているネタや、業界話も読んでみたいひとにはいいかもしれません。また、再連載からは、絵のレベルも、少しあげてきたようです。