スーパーで肉や魚を買った客が、商品の容器をレジ横のごみ箱へポイ。こうした行為に頭を悩ませているスーパーがあり、衛生面でも懸念があることが分かりました。プラスチックごみ削減の観点からも、「丁寧な包装」のあり方について考える必要がありそうです。
スーパーで会計を済ませ、商品を買い物袋に移していたとある女性会社員は、一瞬の出来事に驚いたそうです。隣にいたのは60代くらいの女性。トレーのラップをはがしていたので見ると、くるりとひっくり返して中の肉をラップで包み、トレーはごみ箱に捨てて歩き去りました。女性会社員は「これって、ありなの?汚れたトレーをそのまま捨てるのは、マナー違反ではないでしょうか」と不快感を示しました。
このような「くるりポイ」行為はよくあるのでしょうか。「街中の店舗ではほとんどないが、聞いたことはある。家庭ごみを減らす目的のようです」と福岡県内のスーパーチェーンの担当者は話します。従業員が見かけたときは、持ち帰るよう声を掛けているそうです。
ところが別のチェーンからは、違う答えが返ってきました。「エリアによっては頻繁にあり、困っているんです」聞けば「くるりポイ」をする人の多くは中高年とみられる女性だそうです。菓子などの袋や紙箱を捨てる人もいて、特に肉の特売日はごみ箱から目を離すとすぐにトレーで満杯になります。洗ったトレーを回収するリサイクル箱に入っていることもあり、「ごみの分別が厳しい地域なので、持ち帰りたくないのかもしれません」。
トレーに残った肉や魚の汁がこぼれれば、臭いや小バエの原因となり、他の客から「汚い」と苦情を受けることもあります。さらに不安なのは雑菌の繁殖です。北九州市保健所は「菌が手や物に付着して口に入る可能性があり、周囲の客にとっても衛生的ではない」と指摘します。
ですが、店としては相手が“お客さま”だけに注意しにくいのです。「『衛生上、良くないので…』と遠回しに伝えても、『すぐ食べるから大丈夫』とかわされてしまう」と担当者は頭を抱えます。ごみ箱を撤去したら「何でないの」と言われたので戻しました。鶏唐揚げやコロッケなどは客がポリ袋に入れて買う簡易包装にしました。ただ、ポリ袋は薄くて熱が伝わりやすい上に破れる恐れもあります。強度の高いトレーの方が鮮度を保てて見栄えもよく、消費者受けがいいのです。point 284 | 1
一方、関東のあるスーパーチェーンは10年前に鶏肉用トレーを廃止しました。ポリエチレンフィルムで真空パックにすることで包装資材を約40%削減できたといいます。「かさばらず、小分けにし直す必要もないので、使い勝手がいいのでしょう」と担当者は話します。
ネットでは、このニュースに様々な声が上がっています。
・やりたい理由わかるけど、これ沢山の人にされたら、確かにスーパーさん困るかもね。
・汚なすぎて信じられない非常識な人々がいるもんだ。
・ほんと、買った肉や魚をその場でトレーを捨てて行く人の心理わからん。衛生的にも片付ける人の身にもなれ。 うちもよくやられるし、対応してもイタチごった。
・これはスーパーで働いた経験のある身として、非常に共感できる。 元働いてたとこでは、燃える燃えないがきちんと分かれているにもかかわらず無法地帯。
・店頭で見栄えよくするためだけなら資源や環境を考えてトレーを止めたらいいんじゃないの?
トレーのほとんどはプラスチック製品話しますです。近年、プラごみによる海洋汚染が国際問題となり、削減する企業が増えています。「くるりポイ」問題でも、トレー削減とマナー向上に向けて、売り手と消費者、双方の意識が問われそうですね。