現在、新型コロナウイルスの影響でアニメの制作を継続するのが困難なために5月17日より当面の間過去の回の放送分「サザエさん」を公開することになりました。そんなアニメ「サザエさん」はなぜ50年間も人気を集め注目されているのかについて本日はご紹介したいと思います。
「サザエさんの大転換」とは
歴史を振り返ってさかのぼれば、サザエさんは1985年、おおきな大転換を果たしています。その年の作品の中では、登場人物の退出と加入が繰り返されてきました。また、1978年以来住んでいた画家の浜さん一家が引っ越していき酒屋の三河屋で御用聞きをしていた三平さんが結婚のため故郷である山形に戻ることになりました。
また、三河屋の三平さんに替わり、現在まで御用聞きを務める三郎さんが初登場しました。現在とは全く違うキャラクターが描かれていました。1974年以降の放送でも、タイコさんに抱っこされていたイクラちゃんが歩くようになりました。ここで変更された設定は、現在に至るまでのストーリーに引き継がれています。
イクラちゃんが歩けるようになったおかげで、タラちゃんとのやりとりも増え、話の枠も広まり結果、大成功でした。原作では名前のなかったノリスケたちの子供にイクラと名付けたのも雪室俊一さんです。当初、ドタバタだった調子だったサザエさんも今はホームドラマへと導いていかれました。
「パソコンと携帯電話」が登場した回
サザエさんでは、ブラウン管テレビや黒電話など、すでに日本の大半の家庭からは失われたものも描かれています。そのために、サザエさんが「昭和の時代の昔話」と勘違いしている人も少なくはないでしょう。ただし、設定はあくまでも「現代」に関して描いているということです。
サザエさんの世界観は世界観を変えずに、支え続けていくことが目的で描かれています。そのため、いくら時代が変わり新しいものや家電などが時代の流れで変わっていったとしても、作中の風景やアイテムをすべて変えてしまってはあの、のんびりとした世界を壊してしまいます。しかし、そこが一番のサザエさんの魅力とも言えるのです。
まとめ
残念ながら、今は新型コロナウイルスの影響でサザエさんは新作の制作が中断されてしまいました。そこで、半世紀にわたるサザエさんで描かれてきた家族の平凡な日常は考えてみれば、ウイルスの感染拡大が収まった後に私たちの望む未来へとつながっていくのではないでしょうか。収束にはとても多くの時間がかかるとは思いますが、今回の再放送の回に未来の姿を見出しつつ、この危機を乗り切りましょう。