夏のレジャーとして大人気の海水浴ですが、海にはクラゲやエイなど、人間の命を脅かす危険な生き物がたくさんいますよね。中でもサメは海で絶対に出くわしたくありません。今回は、世界で記録されているサメ襲撃被害の中でも特に最悪な事件をまとめてみました。
蒸気船ラ・セーヌ号(1909年)
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1909年11月、100人以上の乗客を乗せたフランスの蒸気船ラ・セーヌ号は、現在のインドネシア・ジャワ島からシンガポールへ航海中でした。しかし、ひどい霧により、岸から40km程の地点で別の蒸気船オンダ号と正面衝突。小型のラ・セーヌ号は、衝突から2分も経たずに沈んでしまいます。オンダ号の乗組員により、ラ・セーヌ号の乗員乗客あわせて61名が救い出されましたが、船長を含む90名以上が海に放り出されたまま、サメに食い殺されてしまったといいます。
ニュージャージー州サメ襲撃事件(1916年)
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映画「ジョーズ」の原作小説のモデルにもなったといわれているこの事件は、たった11日間で5人もの被害者を出した一連のサメ襲撃事件の総称です。まず1916年7月1日には、当時25歳の男性が夕方の遊泳中にサメに襲われ命を落とします。そして5日後の7月6日、今度は最初の現場から70km離れたところで男性が襲われ両足を失い、そのまま亡くなってしまいます。さらに7月12日には、2度目の現場から50km程離れた川で少年が突然水中に引きずり込まれ、助けようとした青年共々命を落とし、近くにいた少年も咬みつかれて重傷を負うという事件が起きました。
重巡洋艦インディアナポリス(1945年)
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1945年7月、アメリカ軍の重巡洋艦インディアナポリスは、広島・長崎へ投下予定に原爆部品と各材料をテニアン島まで運ぶという重大極秘任務を完遂しました。しかし、その後グアムを経由してレイテ島へ向かっている途中、日本海軍の潜水艦による攻撃を受けて、真っ二つになり沈没してしまいます。乗員約1200名のうち、300名は攻撃により死亡したとみられていますが、残る900名は海に投げ出され、沈没から約1週間後に救助が完了するまでに約600名が亡くなりました。
ロドニー・フォックス(1963年)
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1963年、当時23歳だったロドニー・フォックスは素潜りの最中にホホジロザメに襲われ、全身に462針を縫う重傷を負いました。サメの鋭い牙は彼の横隔膜を突き刺し、肩甲骨に穴を開け、肺を引き裂き、胸郭と胃の一部をむき出しにしましたが、着ていたウエットスーツのおかげで臓器の流出が防がれ、奇跡的に一命を取り留めたそうです。フォックスはその後、なんとホホジロザメの虜になってしまったようで、ホホジロザメの研究財団を立ち上げ、名作映画「ジョーズ」をはじめとした数々のサメ映画の製作に携わるまでになったそうです。
オマール・コンガー(1984年)
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北アメリカの太平洋沿岸は有名なサメスポットで、20世紀には計108件のサメの襲撃被害が報告されていました。1984年にはカリフォルニア近郊で4件もの被害があったようで、当時28歳だったオマール・コンガーは、その年唯一の死亡者となりました。仲間とアワビ狩りのダイビングの最中、コンガーは突然背後からホホジロザメに咬みつかれ、激しく揺さぶられながら海中深くに引きずり込まれます。その後仲間により何とか海岸へ連れ戻されましたが、ひどい傷で失血死に至りました。
シャーリー・アン・ダーディン(1985年)
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1985年、当時33歳で4児の母親だったシャーリー・アン・ダーディンは、ホタテ貝目当てでシュノーケリングをしている時に突然サメの襲撃に遭いました。150mほど離れた岸では、彼女の夫と子供たちが、彼女が真っ二つに裂かれるのを目撃してしまったそうです。救助隊が到着した時、残されていたのは頭部を失った胴体だけで、それすらも戻ってきたサメに持ち去られてしまったそうです。
海に置き去りにされた夫婦(1998年)
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1998年1月27日、スキューバダイビングをしにオーストラリアのグレート・バリア・リーフを訪れた夫婦、トムとアイリーンは、綺麗な海を楽しんでいました。しかしなんと手違いで二人を乗せないままツアーボートが出発してしまい、サメもいる海の真ん中に取り残されてしまったのです。2日後になってようやく、ボートに2人の私物が残されていることが分かり捜索は始まりましたが、2人は見つからず、サメに食べられてしまったのだと考えられています。
イアン・レッドモンド(2011年)
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2011年8月、ハネムーンでセーシェルを訪れビーチを楽しんでいたイアン・レッドモンド夫妻。イアンが、海岸から20m程の所でシュノーケリングをしていたところをサメに襲われ、腕と左足をもぎ取られてしまいました。旅行者が乗っていた小さなボートが通りかかって彼を陸に運びましたが、出血多量で亡くなってしまいました。ビーチで日光浴をしていた新妻・ジェマは、事の一部始終を、為す術もなく見ていることしかできなかったそうです。