25日、菅首相は、東京五輪で日本勢第1号の金メダルを獲得した柔道男子60キロ級の高藤直寿選手に、公邸から電話をして祝福をしました。もちろん狙いは支持率アップでしたが、電話のやりとりを見た自民党内からは、「逆効果だ。やめた方がいい」と懸念する声が上がりました。
また、あらかじめ用意されたメモを読んだだけという声も上がりました。自民党関係者は「電話は2分程度のものですが、会話というより、総理が一方的に話していた。しかも、自分の言葉ではなく、秘書官が用意したメモを読んでいるように見えた。恐らく、高藤選手のこともよく知らないのでしょう。お祝いの電話なのだから、少しは感情を出せばいいのに、話し方にも起伏がなく、本当に金メダルを喜んでいるのか伝わってこなかった。あれでは国民から“人気取りのために電話している”と見透かされ、共感は得られませんよ」と話しました。
実際、会話はまったく盛り上がっておらず、「一夜明けてどんな気持ちですか」と聞かれた高藤選手が「まだ実感は湧いていないです」と答えると、「ああ、そうですか」とまるで一問一答形式のような会話が繰り広げられました。
「これからメダルラッシュになる。首相はメダリストに次々に電話すべきだ」と話す人もいる反面、「あの電話では、やればやるほど、支持率が下落する可能性がある。」「菅首相は“五輪がはじまれば空気は変わる”“五輪が盛り上がれば支持率下落も止まる”と考えているようです。五輪が終わった時、国民の大半が“やっぱり五輪をやって良かった”と評価するようになれば、五輪を開催した菅政権への評価も変わると考えているのでしょう。しかし、五輪開会式が行われた23日から25日に日経新聞が行った世論調査でも、内閣支持率は9ポイントもダウンして33%だった。五輪効果はまったく出ていない。開会式への評価も低い。菅首相の思惑は、大きく外れはじめています」と厳しい声を上げる政界関係者もいました。
そもそも、メダリストは菅首相からの電話を欲しがっているのでしょうか…。