鶏肉は、他の肉類と比較しても水分を多く含んでいるため、傷むのが早いという特徴があります。冷蔵庫に保管していた場合でも、美味しく食べられるのは2日が限度といったところでしょう。それ以上でもすぐに腐ってしまうようなことはありませんが、本来の美味しさは損なわれてしまいます。
写真:foxnews.com
常温保存は論外で、10度を超えた時点で雑菌の繁殖が急激に進んでしまいます。35度くらいで最も活発に増殖するので、夏場などは短時間でも室温で放置していると非常に危険です。一度雑菌が繁殖してしまえば、仮に加熱調理したとしてもお腹を壊す可能性が高いので絶対に食べないようにしましょう。サルモネラやカンピロバクターなど質の悪い食中毒菌の場合、傷んだとしても臭いやネバつきなどの異常が分かりにくいので、外見だけでは傷んだかどうか判断できないことも多いです。
写真:r.gnavi.co.jp
鶏肉はとにかく買ってきたら少しでも早く冷蔵保存することが望ましいのですが、できればトレイから出してキッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取り、ラップでくるんで空気に触れさせないようにしておきましょう。こうすることで雑菌の繁殖を最低限に抑えることができ、風味を長持ちさせることができます。冷蔵庫にチルド室やパーシャル室などが備わっている場合は、そこに入れておくと冷蔵室よりも低温保存できるので尚良いです。
写真:workingmotherstweet.seesaa.net
ちなみに、とりひき肉の水気を拭き取る前にお酒を少し振りかけておくと、アルコールの殺菌作用でより保存性が高くなります。みりんや醤油などの調味料で、とりひき肉にある程度下味をつけてから冷蔵庫に入れるのもお勧めです。ただ、長期間下味をつけたまま保存していると味が染み込みすぎて辛くなってしまうことがあるので注意しましょう。冷蔵庫で保存する場合は、そのまま入れた場合は約2日、下味をつけた場合でも3日から4日以内には食べるようにしてください。もちろんトレイに表示されている消費期限内に食べることが大前提なので、日付にも注意しておきましょう。
写真:nomooo.jp
とりひき肉をより長持ちさせたい場合は、同じように水気を拭き取った状態で冷凍庫で保存します。大量に購入した場合は、1回の調理で利用する量ごとにラップや密封できる袋に小分けにしておくのがポイントです。できるだけ平らになるように形を整えると、短い時間で中心部分まで冷凍することができるので鮮度を保ちやすくなります。雑菌の繁殖を防ぐためにも、冷蔵する場合と同じようにできるだけ空気を抜いて密封するようにしてください。金属製のトレイなどに乗せて入れると、より早く冷たくすることができます。冷凍保存する場合も、下味をつけたりお酒をふったりすることでより風味や鮮度を高く維持することができるので、ひと手間かかりますがやっておくことをお勧めします。
写真:mama-ikuji.com
冷凍したものを解凍する場合、室温で放置しておくのは止めましょう。夏場などは思いのほか室温が高く、気付いた時には解凍を通り越して傷んでしまったということも珍しくありません。使用する時間の半日くらい前になったら冷蔵室に移動させ、時間をかけて自然解凍するようにしましょう。低い温度でじっくりと解凍することで、うま味成分が水分と一緒に一気に流れ出てしまうのを防ぐことができます。急いでいる場合は凍ったまま加熱したり室温で解凍しても良いのですが、その場合は流水に付けて解凍したほうが早く解凍できます。冷凍保存していればいつまでも保存できるというイメージがありますが、冷凍状態でも僅かずつ劣化は進んでしまいます。このため、美味しさを失わずに食べるには約2週間程度を目安に保存するようにしましょう。冷凍する期間が長くなると冷凍焼けを起こし、ぱさぱさで美味しくないお肉になってしまいます。