8月2日、日本政府は安全保障上の観点から、韓国を貿易管理上の優遇措置が受けられる「ホワイト国」のリストから除外することを閣議決定しました。
韓国はこれに猛反発し、韓国ソウルでは連日、かつてなく「反日」が燃えさかっている模様です。
またこういった背景があるなか、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領の言葉が、過激な発言で反日感情を煽っているとの見方が出てきており、国内外で波紋を呼んでいるようです。
豊臣秀吉の朝鮮半島侵略を挙げるなど日本にとっては刺激的だが、韓国では学校などで幼いころから学んできた「普通」の表現と受け取られることが多いです。
ただ、発言に対する受け止め方が日韓で違うことから、両国の関係悪化をさらに招きかねない状況となっています。
文大統領は7月30日、大統領の休養地の南部の島を訪れた際、こう発言しました。
「このあたりの海は壬辰倭乱で李舜臣将軍が緒戦で勝利を収めた場所だ」
壬辰倭乱とは、秀吉が朝鮮に出兵した文禄・慶長の役のことをいいます。
文大統領は、李将軍が考案して日本を撃退した亀甲船という名前を持つ食堂に行ったことも、側近が明らかにしました。
さらに8月7日には、精密機器メーカーの工場を視察に訪れた際、
「壬辰倭乱で日本が最も欲しがったのは陶工だった」と指摘。
文大統領は日本の輸出規制を、韓国の未来の成長を妨げる意図があると批判し続けており、当時も今も日本は技術を狙っていると主張したかったようです。
ところが、こういった文大統領の発言を受けて韓国民たちは強く批判。
というのも、韓国の人々にとって秀吉の侵略や李将軍は、幼いころから学校で普通に学び、今でも身近な話だからです。
文大統領は、韓国の国民らに「日本に勝つ」というイメージをわかりやすく伝えるために発言したように思いますが、一方で一連の発言には野党を中心に、「反日」をあおりすぎだとの強い批判もみられているようです。
韓国国内では現在でも日本製品の不買運動が激しさを増しており、日本への観光旅行のキャンセルも相次いでいます。
多くの専門家が、今の日韓関係を“史上最悪”と見ているようですが、その“旗振り役”が文大統領だといえるのではないでしょうか。