昨年6月に東海道新幹線で乗客3人を殺傷し、殺人罪などに問われた、住所不定無職の小島一朗被告(23)。11月28日、横浜地裁小田原支部の初公判で起訴内容を問われると、「窓際にいる人を殺そうとしましたが、残念にも殺し損ないました」「止めに入った人を、見事に殺し切りました」などと述べ、法廷内の全員を驚愕させました。さらに、「出所したらまた殺す」と法廷で前代未聞の宣言をしたのです….
.。
「出所したらまた殺す」…この“宣言”は、凶器のナイフとナタを示した検察官が「これはもういりませんね」と問いかけたのに対して出た言葉だといい、「もう曲がっているし、有期刑になって出所して、また人を殺す羽目になったら新しいものを買う」と語ったのです。県警担当記者は次のように話しています….
.
「丸刈りにした小島は眼鏡にグレーのスエット姿で入廷し、裁判長の質問に堂々と答えていきました。『殺し損なった』『見事に殺した』と言う際も落ち着いた風で、それも不気味に映りました」
検察官によると、小島被告はイジメを受けるなどして仕事を辞めた後、養子縁組した祖母の家で暮らしていました。しかし、祖母宅を家出し、野宿生活を送っていた小島被告。昨年3月に心配した祖母から電話で「いない存在だと思えばいいのかね。とにかく帰ってきなさい」と受け、「養子縁組を解消される」と思ったようです。1人で生きていくのは難しく「刑務所に入りたい」と考えるように…。このようなことから、小島被告は一生刑務所で暮らす無期懲役を狙って赤の他人を傷つけたと思われます。
同じ新幹線に乗り合わせ小島被告に切りつけられて、大けがを負った被害者女性2人の調書からは、当時の生々しい状況が浮かびあがりました。「被告と目が合ったが、『無』だった。まるで感情のないようだった」「必死に逃げた。同じ被害に遭うと思うと一生新幹線に乗れない」と語っています。
自らの命を犠牲に、刃物を振り回す小島被告から乗客2人の命を救った兵庫県の会社員、梅田耕太郎さん(当時38)。女性らは調書で「命がけで止めに入ってくれた」「いなかったら何人やられていたかわからない」と感謝を示しています。
判決は12月18日の予定。弁護士は起訴内容を争わず、事件の背景事情を考慮してほしいとだけ訴えていますが、「本人がこのような態度では、代理人だって弁護もなにもあったものではない。事件の背景もどこまで裁判員に響くか不明。」と、司法担当記者は話しています。
小島被告の両親は「極悪非道な罪を犯したことに困惑している」と事件直後から衝撃を隠せない様子。犯行を繰り返す宣言までしている小島被告の判決には極刑を望みたいものです….。