シリカゲルという物質をご存知でしょうか。”水ガラスのアルカリを水和しゲル化したのち乾燥してつくるケイ酸のゲル”。これだけ見たら、何のことか分からないと思います。でも、お菓子に入っている乾燥剤と言えば、ピンとくるのではないでしょうか。
お菓子の乾燥剤は、袋を開けたら、間違って食べないように、すぐに捨ててしまう人も多いでしょう。でも、かなり役立つアイテムなのです。
■特徴を知り、再利用する
シリカゲルは、包装内の水分を吸着することで、空気を乾燥させる役割をします。お菓子は、酸素に触れると、湿気てしまいます。それを防ぐために乾燥剤を入れるのです。
その特徴を知っておけば、湿気を防ぐために再利用することができます。
開封したお菓子の残りに入れて湿気を防ぐ、下駄箱の靴に入れて、蒸れてしまうのを防ぐ、という使い方もできます。
また湿気を吸収して消石灰となった石灰乾燥剤を、土壌改良剤として利用することも可能です。袋を開けて土に撒き、かき混ぜるだけです。それだけで、土壌pHが上昇し、カルシウムの補給効果があるのです。
■意外な使い方も
もっと意外な使い方もあります。例えば、携帯電話が水没してしまった、そんな経験をお持ちの方もおられるのではないでしょうか。そんな時にシリカゲルが役立つ可能性があります。まず携帯電話の水分を拭き取り、バッテリーを外します。そしてシリカゲルを入れた容器の中に携帯電話を入れて、ある程度の時間放置しましょう。そうすると、携帯電話の内部に付着している水分をシリカゲルが吸い取り、復活する可能性があります。必ず復活すると保障はできませんが、試してみる価値ありです。
また、カミソリにも使えます。カミソリは酸化してしまうと、錆びて鈍くなり、剃り味が悪くなります。それを防ぐために、カミソリが入る容器に、シリカゲルを入れておき、カミソリの使用後に水分を拭き取って、そこで保管します。そうすることで、錆びにくくなりカミソリは長持ちします。
■再利用する時危険なこともある
シリカゲルは、上手に使えば非常に便利なものですが、時に危険なこともあります。まず当たり前ですが、口には入れないようにしましょう。特に小さなお子様がいる家庭はご注意ください。
また、加熱して利用するのはお薦めできません。青からうすいピンクに変わる「モイスチャーインジケーター」が添加している場合、高熱をかけることで有害な塩化水素ガスが出ます。これを吸い込んだり、飛び散ったものが肌に当たると非常に危険です。
特に目に入った時は、失明する恐れもあるので、十分に注意しましょう。
■まとめ
シリカゲルは、そのまま捨てずにどこかに保管しておけば、さまざまなことに利用できます。しかし、人にとって有害な物質が含まれておりますので、使い方には気をつけましょう。