5月23日、東京・新宿区のマンションで知人男性の腹部を刃物で刺し、殺人未遂の罪に問われているガールズバーの元店長・高岡由佳被告(21)の裁判が12月3日、東京地方裁判所818号法廷で開かれました。
「好きで好きで仕方なかった。相手を殺して私も死のうと思った。刺した直後に彼が好きだといってくれた。」と、逮捕直後、高岡由佳被告は取り調べでこう供述していました。
事件当時、高岡由佳被告は新宿警察署から移送される際に不敵な笑みを浮かべる様子がたびたび報じられました。また、血まみれで倒れる被害男性の横で平然とたばこを吸う高岡由佳被告の犯行直後の現場写真がSNSで拡散され、ネット上では大きな話題となりました。公判当日も東京地裁には多くの人が傍聴券を求めて、朝から列を成しました。
法廷には被害男性の姿もありました。新宿のホストクラブに勤める人気ホスト・琉月(るな)さんです。ホスト歴1年、20歳の新人で、高岡被告は琉月さんの客でした。渡された名刺によると現在の源氏名は「痛みに負け琉月」。役職は「幹部補佐」、ホストになる前は職人だったといいます。
「ゆのちゃん(高岡容疑者)とは去年の10月くらいに彼女の勤めるガールズバーに遊びに行っていて、今年3月くらいから彼女が僕のお店によく来てくれるようになったんです。平均週3回くらい。月に100万円近くつかってくれて、とてもいいお客さんでした。”彼女”ではないんです。
ネットでは、僕が彼女と同棲していたような書き込みも多かったのですが、僕は寮に住んでいました。店が終わってからはアフターとして、彼女の家にも行くことはありました。『付き合ってほしい』と言われましたが、『ホストだから付き合えない』と話していました。」
と、あくまでホストと客の関係だったと話す琉月さん。しかし、高岡由佳容疑者とは肉体関係があったといいます。
「事件があった日は、15時くらいにお店が終わって、『家に来て』と言われていたので彼女の家に行きました。ゆのちゃんはいつも通りの感じだったので、『先に寝るね』とパンツ一丁で寝ました。
30分くらい経って、お腹のあたりが熱くて、痛くて、目が覚めると包丁がお腹に刺さっていて、彼女が僕の上に馬乗りになっていて、『一緒に死のう』って……」
高岡由佳容疑者は刃渡り14.
8センチの包丁を琉月さんの腹部に突き刺しました。刃は胴を貫通し、背中にまで達していたといいます。
「パニックになり、あのときのことはあまり覚えてません。『一緒に死のう、私のこと好き?』って聞かれて、好きと言わないと怖いから、『好き』と答えました。僕も人間だから、あれだけ尽くしてくれて情もあったし、男なんで女の子としてそういう感情もあった。
でも助かりたいという思いが強かったんだと思います。包丁を抜いて、無我夢中で部屋を出て、エレベーターを降りて(マンションの)エントランスで倒れました。自分でも『よくそこまで行けたなー』と思います。『救急車呼んで』と叫んだことも覚えています。」
病院に運ばれ、生死の境を彷徨った琉月さん。助かる確率は「2割だった」と後に医師から告げられたといいます。
「病院で目が覚めたときは刺されたことが凄いショックで誰とも話したくなくて、カウンセリングも受けました。病院の窓からゆのちゃんが部屋に入って来る夢を何度か見て、怖くなり部屋を替えてもらいました。」
傷ついた琉月さんを支えたのは店の仲間たちだったといいます。
「店の仲間が入院中、毎日面会に来てくれたんです。肝臓とった(摘出した)こと告げると、『俺がお前の肝臓になるから』って。今でも僕がお酒が飲めないので仲間が酒を代わりに飲んでくれます。ここが僕の居場所なんだと思って、ホストを続けることにしました。今ではお客さんも戻ってきてくれて、何とかお店でやれてます。」と、身体には腹部から胸にかけて巨大な十文字の傷が残っているといいます。
しかし、意外にも高岡由佳容疑者を恨む気持ちはないといいます。あの家(事件現場)は、同棲をするために高岡由佳容疑者が借りた家だそうです。
「後で知ったことですが、彼女は僕を支えるために風俗で働いて(ホスト店での)売り上げをつくってくれていた。彼女の気持ちに対して、僕の態度は適当でした。僕、本当にクズなんですよ。LINEの返事も返さないし、電話で約束してもダルくなったらブッチしちゃうし、将来の夢はヒモですし……クズですよね。」
そして、高岡由佳容疑者の減刑も望んでいるそうです。
「こうして生きていられたし、いいかなって。ゆのちゃんから一度謝罪の手紙をいただきました。今後、罪を償うと書いてありました。彼女も若いのに名前と顔が出てこれから大変だと思いますし、彼女のことは許そうと思います。」と、琉月さんは語ります。
この投稿に、ネット上ではこのようなコメントが上がっています。
・いい人すぎるやろ。プロだからなのか、素なのかよく分からないが尊敬する。
・この前トレンドに乗ってたから、終わってたかと思ったけど、まだまだこの物語は続きそう。
・本人が許してるなら減刑でええんやない?
・こういうのは、公に言うべきではないと思う。個人的な意見だけど。
・また他の人を刺すかもしれないのでダメです。
優しいね。その優しさにつけ込まれないようにね。
— こーちん R.I.P Wataru Misaka (@kochin09121006) December 3, 2019
事件の後、ホスト名に不死鳥とつけたとか見た気が。
ホストって精神タフなんだなと感心してしまうレベル。ADVERTISEMENT — クロシェ (@cloche019) December 3, 2019