近年では、SNSで美容整形の経過を公開する“整形アカウント”が話題になっています。
「前向きになれるなら」と、整形を肯定的に捉える傾向があり、女性たちの間では共感を得ています。
自分の整形を隠さない女性たちは、きれいに変わっていく過程だけでなく、見るだけでも痛そうな手術直後の写真も公開しています。
そんな整形アカウントの人気ユーザーの「いきりちゃん(@ikirichan)」に、整形のきっかけや家族との関係、そしてSNSで発信する理由を聞いてみました。
――整形をしたいと思うようになったのはいつ頃、どのようなきっかけですか?
いきりちゃん:整形をしたいと思ったのは小学校3~4年生位だったと思います。片目が一重、片目が奥二重目だったので左右差があって…幼いながら本当にコンプレックスで。その当時人気だった整形番組を観て整形をしたいなぁと思うようになりました。
――では実際に整形に踏み切ったのはどのような経緯があったのでしょうか。
いきりちゃん:家族仲が悪い時期があり、父に“自分と顔が似ているから”という理由で「お前は他人を不幸にする」と言われました。私は今の顔だと幸せになれないのかもという不安が背中を押しました。
――Twitterを拝見するとご家族のお話もよくされていますね。相談できずに整形に踏み切った辛さについても投稿されていましたが、相談できなかったのはなぜでしょうか?
いきりちゃん:当時16歳の時、母に手紙を書いて埋没(二重まぶた)をすることをカミングアウトして応援してくれていました。ですがその後、別の話で母と喧嘩をした時に「あなたの顔が変わった時だって母さんはっ…」と言いかけて口をつぐんでしまいました。埋没をした時は私の気持ちをくんで無理に応援させてしまったのかもしれないと思い、段々とその後の手術の事は言えなくなってしまいました。
――お母様にカミングアウトしたときのお手紙も公開されていましたが、カミングアウトしようと思ったのはなぜでしょうか?
いきりちゃん:(2019年当時)1年前の今頃に輪郭三点手術をしたのですが、その時はまだ家族の誰にもカミングアウトをしていなくて1人で渡韓したんです。これから全身麻酔で骨を切る…命に危険があるかもしれないとても大きな手術をするってなった時に恐怖で涙が止まらなくなりました。「あぁ…こんな事なら何か書いておけばよかった」「家族に一目会ってくればよかった」「言い辛いとかそんな自分本位な理由で嘘を突き通すんじゃなかった」といろんなことを思いました。それを期に家族にカミングアウトをしていこうと思い、姉、父、母、妹の順にカミングアウトしていきました。point 271 | 1
――カミングアウトしてから、ご家族との関係はどのように変化しましたか?
いきりちゃん:母はずっと私が整形をしている事に気付かないふりをしてくれていました。私も母が気付いていることに気付かないふりをしていました。貫き通してくれていたから、心配したくても出来なかったのだと思います。カミングアウトしてからは、渡韓中「大丈夫?」「痛くない?」「辛くない?」など、ほぼ毎日父と母がLINEをくれました。姉もきれいになったと沢山褒めてくれて毎日LINEをくれてます。現在、輪郭再手術をしていて硬い物を食べれない私のために「ペーストの食事を作ってまっているね!」と家族みんなで応援してくれてます。point 351 | 1
――今はご家族のサポートがあって心強いですね。では、整形に家族の理解は必要だと思いますか?
いきりちゃん:私は必ずしも理解が必要だと思いません。私がたまたま上手くいっただけで色んな家庭環境がある中で理解を得るのが難しい場合もあると思います。家族の理解があれば楽になる部分もありますが、必ずしもそれが正解だとは思いません。
――16歳の二重の手術が最初だったそうですが、それから他にも様々な手術をされてきたかと思います。今までで一番辛かったのはどのような施術でしたか?
いきりちゃん:1度目の輪郭整形です。顔が倍以上に腫れ上がり顔が軋んで飲み物を飲むのがやっと。1ヶ月で8キロ痩せました。3ヶ月たっても顔がすごく腫れていて精神的にも肉体的にも辛かったです。
――様々な整形をしてきて、整形に臨む気持ちに変化はありますか?
いきりちゃん:今でも凄く怖いです。なんならもう注射ですら怖いです(笑)。もともと痛みに弱いタイプなので何度経験しても痛くて怖い気持ちは未だに慣れません。
――それでも次の手術を考えるのはなぜでしょうか?
いきりちゃん:痛くて怖いって気持ちより、今の顔で生きていく方がずっとずっと怖いです。まだ自分がきれいになるために必要な手術が残っているのもありますが、「痛くて怖い」と「きれいになりたい」という気持ちを天秤にかけた時に「きれいになりたい」という気持ちの方が上回ってきたので今も続けています。
――ずばり、今まで整形にかかった総額を教えてください。
いきりちゃん:計算してないからわからないですが、全身でざっくり1500万円以上はかかっているかと。
――また、SNSでは痛くて辛そうな術後の写真も多数アップされているなど、整形の一部始終を発信していますね。
いきりちゃん:私が整形を始めた時は知識もなく、右も左もわからないまま適当なクリニックに行きました。それで失敗してしまって…再手術で費用も上がるし、リスクも上がるしで大変な目にあいました。その当時を思い出して、「整形をする上で失敗する人や再手術になって遠回りをする人を減らしたい」、「きれいになる為に1人で頑張っている人たちの苦悩とか不安な気持ちに寄り添いたい」、「一緒に頑張って行けるような場所を作りたい」と思って今のSNSアカウントを作りました。point 224 | 1
――SNSで発信していく中で、様々な意見が集まるかと思います。賛否両論はどのように受け止めていますか?
いきりちゃん:SNSは利用されている人数が多い分、当たり前ですが自分の意見を肯定してくれる人達ばかりではなく反対意見も沢山きます。ただ、自分の都合のいい意見ばかりを吸収しようとは思っていなくて、自分の明確な基準があった上で理にかなっていてちゃんと納得出来るような反対意見なら吸収して有難く頂戴したいと思います。それでも、たまに言葉を選ばないで、相手を傷付けるための批判を意見だと押し付けてくる人がいます。それはただの批判だと捉えているのでそれは無視します。私は私の人生を私らしく生きていきたいと思っているので自分の軸がブレないように気をつけてます。人の意見を少しずつ取り入れて成長したいです。point 296 | 1
――整形を考える人からの相談はたくさん寄せられるのではないでしょうか。
いきりちゃん:ご両親のこと、人間関係の事、ダウンタイムの事、病院の事…様々な相談が来ますが、答えはバラバラです。全部違うのでどう答えるとか決まりはないですが、出来るだけちゃんと目を通して考えて返すので長文で返しちゃうことが多いです。
――SNSをきっかけに整形を考える人もいるかと思います。気軽にできるようになってきたからこそ、これから整形をしようとしている人にどのようなアドバイスがありますか?
いきりちゃん:これから整形をしようと考えている人へのアドバイスは安いからという理由だけで病院を選ばない事だと思います。いくら安くても腕がなかったら結局再手術で料金がさらに2~3倍かかります。それなら値が張っても最初から腕のある病院に行って1回で成功した方がいいと思います。
あと、整形は魔法ではないと思う事。整形は魔法ではないので誰でもきれいになる訳では無いです。酷いことを言っていると思う人もいるかもしれませんが本当にそうなんです。それを理解していないと、自分の限界になった時にやりたくても「切れない」「出来ない」「もう伸び代がなくて頑張れない」「私は変わりたいのに変われない」となります。これが1番辛かったです。整形できれいになれるかどうかは生まれ持った骨格の形や目の形、鼻の形が関係してくるので過度な期待はせずに「今よりきれいになれたらいいな」と思うくらい楽な気持ちでやるのが1番かもしれません。point 264 | 1
――最終的になりたいお顔はどのようなお顔ですか?
いきりちゃん:最終的になりたい顔はこれ!といった顔はないですが今の私がなれる最高地になれたらなと。
――整形をしている今、幸せですか? また、幸せになれそうですか?
いきりちゃん:「はい」とははっきり答えられません。整形をしたから幸せになれる訳ではなくて、大切なのは自分の人間力。今後幸せになれるように自分に出来ることを少しずつ頑張っていけたらなと思います。
――『ミスiD 2020』にもプレエントリーされたそうですね。これからやりたいことや、将来考えていることを教えてください。
いきりちゃん:将来の事に対して明確なビジョンがある訳では無いですが、自分と同じような悩みを抱えている人達の力になれるようなことを沢山やりたいです。まだまだ整形に対して間違った認識を持たれてる方が多いと思うので自分を電波塔にして色々な事を発信出来たらなと思います。ミスiDもその為に自分の出来ることの幅を増やしたくて応募しました!
【引用:ORICON NEWS】
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