2000年(平成12年12月)に東京都世田谷区上祖師谷の宮沢みきおさん=当時(44)=方で一家4人が殺害された事件で、被害者の遺族が18日、事件現場となった宮沢さん宅の内部を一部の報道機関に初めて公開しました。
世田谷一家殺害事件は、東京都世田谷区で発生した殺人事件の通称で、警視庁による正式名称は「上祖師谷三丁目一家4人強盗殺人事件」といいます。一家4人が殺害されましたが、犯人の特定・逮捕には至っておらず、未解決事件となっています。また、捜査特別報奨金制度対象事件にも指定されている事件です。
公開された家には、一家が使っていた家具などが残されており、遺族は「4人はつつましい生活の中で、一所懸命生きていた。その人生の肌触りを知ってほしい」と訴えました。
殺害された妻の泰子さん=当時(41)=の姉、入江杏さん(62)はこの日、現場住宅を訪問し一家の遺品を改めて確認。4人が生きた証しを伝えるため、報道機関への公開に踏み切ったといいます。
壁にかかっていた写真などは外され、一家の遺品を入れた段ボールが山積みになっていますが、収納家具やテーブルなどはそのまま。2階の居間の壁には、長女のにいなちゃん=当時(8)=と長男の礼君=同(6)=が背比べをした印も残っています。
入江さんは取材に対して「事件を推理するのではなく、実際に現場を見てその狭さを知ってほしかった。一家は逃げる場所もなく、犯人と戦ったのだと思う」と声を震わせて訴えました。
現場の土地は12年3月、都が隣接の都立公園の拡張のために買収し、一家は引っ越しの猶予期間中だった同12月に殺害されました。警視庁が遺族に「証拠保全上、維持が必要」と住宅取り壊しを延期するよう要請。遺族が都と協議して保存が続けられてきましたが、外壁の亀裂や屋内の雨漏りなど老朽化が進み、今は倒壊などに備えて住宅の四方に防護ネットが張られている状態です。
警視庁は建物内で犯人の指紋やDNA型など必要な証拠を保全、現場の状況の捜査書類化と3D映像による記録化も実施したとし、昨年3月、遺族側に取り壊しを正式に打診。入江さんによると、遺族には同12月下旬に改めて、取り壊し延期の要請を解除するとの通知があったといいます。通知から30日後には建物の所有権は都に移る予定です。
みきおさんの母、節子さん(88)は同30日、一家4人が眠る埼玉県新座市の霊園で墓参りをした際、「犯人を逮捕しない限り事件の風化が早まるのではと思い、まだ取り壊しの判断がつきかねている」と述べています。
これに対し、ネットでの反応は
「犯人はわかってる。どこにいるかも知ってる。でも逮捕出来ない闇の力が掛かってるのよ。」
「当時、下のお子さんが通院していた病院に同時期かかっていた人の家まで聞き込みがあった。警察はそれなりに頑張っていたと思う。本当にお気の毒です。同じ年だった次女もいまは25歳。」
「初動捜査の遅さから公安部の担当事件との推測されてますよね。当時の政権が半島に気を遣っていたから全く捜査できなかったのでしょう。」
などというコメントが寄せられています。