先月8日に安倍晋三元首相が銃撃された事件で、逮捕された山上徹也容疑者の“減刑”を求める署名活動の勢いが止まらない状況です。
この活動は、先月15日に署名サイト「Change.org」で始まりました。これを立ち上げた人は、山上容疑者について《過酷な生育歴を鑑みての温情》《本人が非常に真面目、努力家であり、更生の余地のある人間である事》ということを理由に、山上容疑者への減刑を「検察庁長官殿」に求めているのです。今月12日時点で、賛同者は6000人を昇り、目標人数の7500人を達成しそうな勢いです。
この署名活動が始まった当初は、山上容疑者へのセンチメンタルな“同情”の声が多く集まっていました。「山上さんは悪徳宗教に家庭を破壊された被害者です」「ニュースを見るたびに切なくなります。今からでも幸せになってほしいです。」「人は環境で変わることができるはず。誰にも変わる環境と機会が必要で、それは彼に与えられるべきです」などのような意見がありました。
幼い頃に父親を亡くし、母親は旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に入信後、多額の献金で、自己破産しており、家庭は崩壊していました。そんな中、山上容疑者自身は大学進学も断念し、3年間の海上自衛隊勤務を経て、アルバイトや派遣社員を転々としていた“過酷な生育歴”があります。
後に、自民党と旧統一教会の密接関係が明らかになり、メディアは厳しく追及するようになった頃から、山上容疑者を“擁護”する声も、単なる“感情論”から、自民党の責任を問うものに変わりました。「この人の行動は統一教会の存在を浮き彫りにした。この事件がなければ、その存在を知る人は今ほどには確実にいなかったはず」「人で無しの自民党政治が産み落とした犠牲者の代表として、彼の残した功績は大きい」などの意見がありました。
今回の山上容疑者の犯行を機に、旧統一教会の問題に注目が集まりました。しかし、暗〇事件が起きてしまったのは事実です。あまりに旧統一教会に“ヘイト”が向きすぎて、暗〇事件を軽視し、過激な自民党批判に目が向けられるのは、危険な風潮ともいえます。
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