凶悪な事件を起こした少年A
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酒鬼薔薇聖斗というとピンとくる人は多いですよね。神戸で1997年に悲惨な事件が起こりましたが、警察の調べで最終的に逮捕されたのは、なんと当時まだ14歳だった少年Aでした。自分を酒鬼薔薇聖斗と名乗り、ゲーム感覚で殺人を犯した少年Aは、成人として法に裁かれることはなく、未成年者のための矯正施設に入りました。テレビのドキュメンタリー番組などで、たまにこうした矯正施設の内情などは垣間見ることができますが、実際にそこに入ることによって、凶悪な犯罪を犯した少年たちがどこまで更生できるのかという点は、謎ですよね。きっと、同じ矯正施設に入った未成年でも、本人の気持ち次第で更生できる人もいれば、あまり変わらないまま出所してくる人もいるのでしょう。
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世間を騒がせた酒鬼薔薇聖斗は、矯正施設に6年半入って更生のための教育をうけましたが、その間に実の両親や親戚とは縁が切れたようです。矯正施設を出所した後には、問題を起こした未成年者の社会復帰をサポートする人物の里子となり、様々な仕事をしながら社会復帰をしているとニュースなどでは伝えられています。
顔写真が出なかったことに不満が爆発
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未成年の事件ではいつもテレビで問題となることなのですけれど、被害者や遺族の場合には、顔写真が全国ネットの番組でも出されますよね。犯人が成人の場合には、犯人が逮捕されたときにテレビなどで顔写真が出されるのですけれど、犯人が未成年となると、どういうわけか「将来の更生の機会を摘み取ってしまう」という理由で、顔写真などは一切出てくることがありません。もちろん、逮捕された人物の周囲にいる人なら、顔写真をみなくてもどんな人なのかは分かるものですが、遠方に住んでいて事件の全貌をテレビなどで理解している人にとっては、顔写真は一度も見る機会はありません。
しかし昨今ではインターネットが発達しているため、警察が未成年者の犯人の顔写真を公開しなくても、知り合いなどがネットで公開したりして、調べようと思えばだれでも簡単に調べられる環境となっていますよね。酒鬼薔薇聖斗顔写真も、ネットに後悔されているので、調べてみるとそれほど時間をかけずに見つけることは可能です。
センセーショナルだった週刊ポスト
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悲惨な事件の犯人が未成年だった場合、テレビもニュースも週刊誌でも、犯人の顔写真はご法度となっています。しかし、もしも少年Aが成長して成人になった時には、顔写真は公開してもOKとなるのでしょうか?多くの場合には、少年が法の裁きを受けて適切な刑を全うしたうえで出所している場合には、あえて出てきた後で顔写真が公開されるということはありません。しかし酒鬼薔薇聖斗の場合には、身元が分からないように名前などを変えた少年Aの居所を根気よく探してようやく突き止めた週刊ポストが、特集として週刊誌で名前と顔写真を公開しました。
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顔写真の公開に当たっては、いろいろ悶着があったようです。想像できますよね。元少年Aは、昔のことを全く反省していないような勢いで、週刊ポストの記者を恫喝したと言いますし、遺族の気持ちを逆なでするような「絶歌」という本を出版して、数千万円の印税を手にするなど、どこまで精神的に更生しているのかが疑問視されても仕方ないような言動もあるようです。週刊ポストの記者が、何をきっかけにして出所後の酒鬼薔薇聖斗を調査して顔写真の公開に踏み切ったのか、そのいきさつは分りませんけれど、この事件は未成年による凶悪犯罪と、その後の更生について深く考えさせられる事件だったと思います。私たちの力で、こうした凶悪犯罪を未然に防げる日が来ることを望みます。