合成麻薬MDMAを所持したとして、警視庁組織犯罪対策5課に逮捕された女優沢尻エリカ容疑者(33)をめぐり、
薬物依存症の患者の社会復帰を妨げないようにしよう、
と訴える署名運動が開始されたことが18日、明らかになっています。
逮捕された沢尻エリカ容疑者が織田信長の正妻となる帰蝶(濃姫)役として出演予定だった、
来年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」(1月5日スタート、日曜午後8時)について、
既に収録済みの出演分を予定通り放送するようNHKに求める署名活動が、
インターネット署名サイト「Change.org」で行われています。
これらは18日午前2時ころにスタートし、午後9時半段階で2766人が賛同している様子です。
署名運動では、「NHKは大河ドラマ『麒麟がくる』の沢尻エリカさん収録分を予定通り放映してください」と題されており、
署名キャンペーンを立ち上げたギャンブル依存症問題を考える会の田中紀子代表は、
「昨今、芸能人が薬物事件で逮捕された場合、作品が自粛されたり、配信停止や、録り直しといった騒動となり、『賠償金数十億』などとセンセーショナルにマスコミで取り上げられます」
「芸能界が薬物事件を起こした芸能人に対し刑罰以上の私的制裁を加え、つるし上げや辱めを与えることは、薬物問題に苦しむ一般の当事者や家族にも多大なる悪影響を与えており、社会からの孤立や私的制裁恐れ、支援や相談に繋がることを困難にさせています。また、薬物依存の回復施設への排除運動などが各地で加速しています」
との想いを綴っています。
影響力のある人が、薬物に関わった芸能人を、
『一発アウト』や『自分に甘いだけ』などとテレビでコメントすることについて、
「薬物事件を起こした芸能人に対し、吊るし上げや辱めを与える状態では根本的な問題の解決に至らない」
と田中さんは訴えています。
また、「そして芸能界は薬物問題を起こした芸能人の方が再起できるよう、支援の手を差し伸べてください。薬物事件を起こした芸能人の方々が、その経験を語り、回復者のアイコンとして活躍して頂ければ、沢山の苦しみの中にある人々を救い出すことができるでしょう」
などとも強く訴えています。
「麒麟がくる」の収録は6月に始まり十数話分を収録済みだとしており、
沢尻容疑者は初回から登場予定でした。
長谷川博己が演じる主人公明智光秀と絡むシーンが多く、
NHK関係者は「沢尻容疑者の映像を使用することはないと思う。ただ、とにかく代役選考が急務」としています。
また別の関係者は「来年1月5日の放送開始までに撮り直すのは相当厳しいと思う。ただ大河は局の看板番組の1つ。その放送枠を簡単に代替番組で埋められない。現場は、何としても1月5日に間に合うように代役の選考など対応策を急ピッチで進めているはず」
としている一方で、「どうしても対応策が間に合わないこともあり得る。放送開始日を1週間かそれ以上遅らせるという、かなり異例の措置をとる可能性はゼロではない状況」と話しています。
署名活動に賛同した著名人は多く、中には映画「麻雀放浪記2020」を手がけた白石和彌監督が名を連ねているようです。
一方で、瀧のユニット「電気グルーヴ」の音源・映像の出荷停止、在庫回収、
配信停止をソニー・ミュージックレーベルズが行ったことに対し、
撤回を求める署名活動が「Change.org」で行われ、
27日間で世界79の国と地域から6万4606人の賛同があったこともわかっています。
代表を務める田中さんは、今回の署名活動で、
「薬物依存が回復した時には、能力を発揮できる場を用意しています」
というメッセージを伝えたいと言及しています。
これらの報道に、ネット上からは様々な意見が寄せられています。
「仮に相当数の署名が集まったらといって NHK は期間的な問題もあり、変更の予定は変えないであろう。所有していた量と賠償金とを比較しする話があったが、そういう問題ではないと思う 。やはり罪は罪として正当に裁きを受け 刑事民事を問わず 自己責任で行われるべきでは。」
「たった何グラムで損害賠償は不当とは、いったい、何を根拠におっしゃっているのかもよくわからない。」
「沢尻エリカを復帰させるなら、それこそ芸能界以外の別の形でもいいでしょう。やりたければ、更生後にも上手く生きていけることが伝わるように、企画ドキュメンタリーでもやればいいでしょう。芸能界は多額の金額が動く分、一般職より責任が重いし与える影響も大きいと思います。そういう世界に足を踏み入れたのは沢尻エリカ本人でしょうに。そんなことも考えられず、どれだけの人に迷惑をかけたのか。一般人なら同じ会社への復帰はもちろん、再就職も難しくなるのに、芸能界は甘いですね。」
などのコメントが寄せられていました。