国内外でソプラノ歌手として活躍した佐藤しのぶさんが、9月29日に亡くなっていたことが明らかとなりました。
「日本を代表するソプラノ歌手として活躍した声楽家の佐藤しのぶさんが9月29日、死去した。61歳。葬儀・告別式は家族で行った。後日お別れの会を開く。夫は指揮者の現田茂夫(げんだ・しげお)さん。
東京都出身。文化庁オペラ研修所を最年少、首席で卒業。昭和59年、「メリー・ウィドー」「椿姫」でデビュー。同庁派遣による芸術家在外研修員としてイタリア・ミラノへ留学。
帰国後、62年から4年連続でNHK紅白歌合戦に出演した。日本を拠点にウィーン国立歌劇場など欧州、豪州、アメリカでオペラ出演。オーケストラとの共演を重ねてきた。
文化放送音楽賞、都民文化栄誉章、ジローオペラ賞大賞など、数々の賞を受けた。著書に「佐藤しのぶ出逢いのハーモニー」などがある。
体調不良のため、10月から来年1月のコンサート出演を取りやめると9月24日に発表していた。」と、産経ニュースほか、メディア各局がこのようなニュースを報じ、話題となっています。point 469 | 1
佐藤しのぶさんは、大阪音楽大学付属音楽高等学校から国立音楽大学声楽専攻を卒業すると最年少で文化庁オペラ研修所に入所をしており、なんと首席で卒業をしたというエリートでもあります。
文化庁オペラ研究所は、プロのオペラ歌手を目指している人々のための研修機関として1998年に設立され、3年間にも及ぶ研修を受けることができることでも知られております。佐藤しのぶさんは文化庁芸術家在外研究員としてオペラの本場であるイタリアはミラノに留学をしており、その後は数多くの作品に出演をし、ソプラノ歌手として絶対的な地位を確立していきます。point 326 | 1
佐藤しのぶさんの幼少期は非常に病弱であり、母親も同じく病弱で子供を授かるのは無理かもしれないと言われて誕生したのが佐藤しのぶさんだったそうです。幼稚園まで通えるように成長した佐藤しのぶさんは、園においてあるオルガンから片時も目を離さず、ずっとオルガンの前にいるということを先生が親御さんに告白し、何か楽器を買い与えた方がいいという助言のもと、ピアノを買ってもらったと言います。
ピアノが家に納品される日、佐藤しのぶさんの父親は「ピアノはおもちゃじゃないから、一生大事にすること。ちゃんと練習するんだよ」と声をかけたことがきっかけでクラシック音楽の世界へどっぷり浸かっていったのだそうです。
大阪府豊中市にあり現在は閉校されている大阪音楽大学付属音楽高等学校に進学を決意することになったのですが、それを決意したのが中学1年生だったというのが驚きです。当時のピアノの先生に絶対無理である音楽学校への進学を猛反対されたにも関わらず、自分で遅れている分の曲やスキルなどを徹底的に計算し、毎日猛練習やもう勉強を重ねた結果、見事合格し、その後国立音楽大学へと進学することが出来たのです。
大学ではピアノ科にいたそうですが、声楽科の先生に「君はきれいな声してるね。僕と一緒に勉強しよう」と言われたことがきっかけとなり、声楽科へと編入をし、現在の地位に至ったというのですが、まさにこの先生は恩師であることは間違いありません。
佐藤しのぶさんはこれまでに数多くのコンサートやオペラの作品などに出演をされており、そこで様々な楽曲で歌声を披露されているのですが、その歌声があまりにも美しいとして評判でもあります。
報道機関の発表によれば、佐藤しのぶさんの死因は現在のところ公開されておりません。NHKなどの情報によれば、体調を崩してしまったということです。
「所属事務所によりますと、佐藤さんはことし8月まで活動を続けていましたが、10月以降に予定されていたコンサートへの出演を体調不良を理由に取りやめ、先月29日、東京都内で亡くなったということです。」
考えられる病気であるとすれば、がん(食道がん、胃がん、肺がん、子宮頸がん、膵臓がん、乳がん、肝臓がん、腎臓がん)や悪性腫瘍、急性白血病、心筋梗塞、脳卒中、くも膜下出血などでしょうか?
もっとも、死因は公開されておりませんので、詳しいことは分かりませんが、何かしらの病気に起因していることは間違いなさそうです。
オペラは主にイタリアで発祥されたとされる総合芸術であり、音楽,絵画,建築,舞踊など複数の分野の芸術の混交によって創造される一つの統一的な芸術として知られております。そんなオペラの主役が歌手であり、歌手は歌を披露するのもそうですが、魂をぶつけることでその作品を表現することも重要な役割なのです。
美しく繊細で滑らかな歌声の中にもソプラノ歌手として一本芯の通った力強さも感じられるほか、圧倒的な声量と伸びのある音色はもはや1つの楽器といっても過言ではないほど素敵なものであります。
佐藤しのぶさんの歌唱力は海外からも高い評価を受けており、ただの歌声ではなく魂をぶつける唯一無二の表現者であるとしてアーティストからの数多くのリスペクトがされてあります。
また、佐藤しのぶさんはお金をもらいたいとか、名誉が欲しいとかなどは歌手になってから一度も思ったことはないのでだそうです。成功するまであきらめないという精神が、ここまでの実績を収める素晴らしい歌手へと成長された要因なのではないでしょうか?
何にしても、亡くなった佐藤しのぶさんには心よりご冥福をお祈り申し上げます。